今日のレンジ予測
[本日のドル/円]↑上値メドは110.85円↓下値メドは108.75円イエレン財務長官「ゼロ金利が永遠に続くと考えるべきではない」
20日(火曜)のドル/円は、反発して「円安」。高値109.96円、安値109.33円、1日の値幅は0.63円。 この日は109.39円からスタート。
ドル/円は終値ベースで19日の下落分の64%を回復。しかし、110円には戻れていないので、全快とはよべない。高値が110円に届かなかったのは、6月11日以来。
20日のユーロ/円も反発、ユーロ高へ。高値は129.49円、安値は128.60円。
この日は129.11円でスタート。海外時間に128.60円まで下げて前日の安値を更新。しかし、そこから上昇に転じてNY時間夕方には129.49円をつけました。終値は129.43円(前日比+0.28円)。
128円台からなんとか脱出することができたユーロ/円。しかし終値ベースでは19日の下げの34%しか回復していない。130円に戻れなければ、4月後半から続いてきたユーロ/円上昇トレンドに黄信号がともります。明日はECB(欧州中央銀行)会合ですが、ECBが金融政策の新ガイダンスを発表するのでマーケットは大注目。また23日(金)には、重要な景気指数である7月PMIが発表されます。
一方ドル/円は、下落から速やかに戻して、再び約1年3ヵ月ぶりの円安水準を狙おうとしています。1週間前にも、急落から急反発したことを覚えている人も多いと思います。
その時のきっかけとなったのが米国の主要インフレ指標である6月CPI(消費者物価指数)でした。CPIが強かったことは確かですが、マーケットはそれより別の問題を気にしていました。それは、このインフレが一過性でピークを越えつつあるのか、それともさらに上昇し続けるのか、ということ。
マーケットの一般的な考えは、まだ「一過性」に傾いているように思えます。しかし、これから下がっていくという確信も持てない。
FRB(米連邦準備制度理事会)は、インフレを退治するというよりも、インフレ暴走リスクを回避するという理由で、 8月に緩和縮小を正式発表、遅くても来年1月から実施、さらに利上げ時期を前倒しするだろうとの見方が増えています。

主要指標 終値

今日の一言
重要な仕事ほど、冷静に取り組めば、大騒ぎするよりずっと「よい仕事」ができる
※次回為替Walkerは、27日(火)より掲載します。
Sweet Dreams バイデン大統領、壮大なインフラ投資計画
バイデン大統領は4月、「米国における一世代に一度の投資」と銘打って、大インフラ投資計画を発表しました。1950年代の州間高速道路システムの建設以来、過去70年間で最大規模の計画になります。
バイデン大統領のインフラ投資計画は、橋や道路の建設といった「オールド・エコノミー」だけではなく、水道管交換や高速ブロードバンドなどの整備や人工知能(AI)など研究開発投資に、防衛関連以外としては過去最大の投資金額を見込んでいます。
バイデン大統領は「インフラ計画は中国との競争で不可欠」であると強調。インフラ計画には、中国からの部品供給の依存度を下げるために、半導体のサプライチェーン(供給網)強化も盛り込まれています。
バイデン政権が中国との対立姿勢を明確にしたことは、地政学的にも重要です。両国の緊張関係はトランプ前大統領時代よりも、高まったとも考えられます。
しかし、インフラ投資計画の立法化に向けた道筋には不透明さが残っています。民主党は、議会可決を目指すために「財政調整措置(リコンシリエーション)」を使うことも検討。上院の民主党と野党・共和党の議席数が50ずつで拮抗している上に、この提案について共和党側の支持が得られていないからです。
「財政調整措置」とは、上院の多数派が、優先順位が高いと見なす法案を強引に通過させるための仕組み。

今日の注目通貨
CFTC(米先物取引委員会)集計による、米国内取引所の通貨建玉明細によると、投機家のユーロ、ポンド、カナダのポジションは依然として「ロング(買い持ち)」であり、その背景にはECB(欧州中央銀行)、BOE(イングランド銀行)やBOC(カナダ銀行)に対する緩和縮小、そして利上げ期待がありました。デルタ変異株の感染拡大によって、考えていたよりもその時期が後ずれする確率が高くなったので、それに伴いロングポジションを減らす動きにでているのです。
円のポジションはすでに巨大な「ショート(売り持ち)」が積み上がっています。ということは、リバランスは円の買い戻しに方向になるで、ドル/円は「円高」に動く可能性が高いことになります。
1.ドル/円:予想レンジ ↑111.50円、↓108.24円
今週のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は109.87円。109.87円より上ならばドル買い優勢、109.87円より下ならばドル売り優勢。
2021年これまでの高値は111.66円、安値は102.59円。平均値は107.13円、値幅は9.07円。
1日の最大値幅は1.14円、最小値幅は0.18円。平均値幅は0.57円。
先週末の終値は、2020年終値に比べて6.79円の円安。
112.13円 : 第4レジスタンス(HBO)
111.66円 : 07月 高値(2021年 高値)
111.50円 : 第3レジスタンス
110.88円 : 第2レジスタンス
110.69円 : 第1レジスタンス
110.67円 : 07月 61.8%
110.36円 : 07月 平均値
110.05円 : 07月 38.2%
109.87円 : ピボット
109.06円 : 07月 安値
109.05円 : 第1サポート
108.86円 : 第2サポート
108.24円 : 第3サポート
107.61円 : 第4サポート(LBO)
107.32円 : 2019年 安値

2.豪ドル/円:予想レンジ ↑83.70円 ↓78.10円
豪ドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は、80.90円。
80.90円より上ならば豪ドル買いが優勢、80.90円より下ならば豪ドル売りが優勢と判断します。
2021年これまでの高値は85.80円、安値は78.85円。平均値は82.33円、値幅は6.95円。
1日の最大値幅は1.84円、最小値幅は0.19円。平均値幅は0.66円。
先週末の終値は、2020年終値に比べて1.92円の円安。
85.80円 : 2021年 高値
84.77円 : 第4レジスタンス (HBO)
84.20円 : 07月 高値
83.70円 : 第3レジスタンス
82.63円 : 第2レジスタンス
82.53円 : 07月 61.8%
82.30円 : 第1レジスタンス
82.02円 : 07月 平均値
81.50円 : 07月 38.2%
80.90円 : ピボット
79.84円 : 07月 安値
79.50円 : 第1サポート
79.17円 : 第2サポート
78.85円 : 2021年 安値
78.10円 : 第3サポート
77.03円 : 第4サポート (LBO)

2021年 豪ドル/円データ

※次回為替Walkerは、27日(火)より掲載します。
(荒地 潤)