物価高の今、生活必需品の現物支給優待なら家計も助かる!
3月末が優待権利確定月の銘柄は、全優待株1,445銘柄中、782銘柄※と約半数に達しています。
※楽天証券 株主優待検索より
数が非常に多く、どの株の優待を取得したらいいか、わからない人も多いはず。
そこで、楽天証券の「株主優待検索」を使って、3月優待株の目的・資金別ランキングを作成しました。
まずは、物価高の今、生活必需品を現物支給してくれて、家計の節約に役立つ3月優待株を紹介しましょう。
2023年1月の全国CPI(消費者物価指数)が前年同月比4.3%も上昇するなど、日本では41年ぶりの物価高に見舞われています。
家に居ながらにして、食品、飲料、日用品などの節約に直結する優待品が贈られてくると、うれしさもひとしおのはず。
買物券、食事券優待の場合、ついつい余計な買物や外食をしてしまいがちです。
その点、現物支給の生活必需品優待なら、お金を浪費してしまうリスクもありません。
そこで、楽天証券の「株主優待検索」の条件欄で、
・「権利確定月が3月」
・「優待獲得に必要な最低金額が10万円以下」
・優待内容:「食料・飲食品」「名産・特産品」「日用品・電化製品・暮らし」「自社製品・商品・サービス」の4項目
に絞り込んで、該当する3月優待株を検索しました。



その上で、「これは便利、お得」と思える生活必需品を現物支給してくれる優待株を厳選しました。
継続保有条件のある銘柄は除外したので、優待権利付き最終日の2023年3月29日(水)に株を買って、30日(木)の権利落ち日まで所有すれば、資金効率よく優待の権利を獲得できます。
1.TOKAI HD(3167)の天然水優待はお得度満点!
生活必需品の代名詞といえば、お水。
100株(投資金額8万6,700円※)の保有で、3月・9月末の年2回、「富士の天然水さらり」500㎖×12本をもらえるのが、 TOKAIホールディングス(3167 )の5コースから選べる優待です。
※投資金額は2023年2月24日時点の株価の終値から計算、以下同
TOKAI HDは、東海地方を地盤にLPガスの供給や携帯電話の販売代理店を運営する企業。
2023年3月期の業績は、資源高などもあって増収減益ですが、1株あたりの株主配当金は年間で32円の予定。配当利回り(予想)も3.69%※に達しています。
人気の高い年2回優待は、上記の天然水のほか、同社の「おいしい水の宅配便」12ℓボトル(2,080円相当)1本、クオカード500円分、同社のグループレストラン(静岡市)食事券1,000円分などから1点選ぶことができます。

■配当利回り3.69%(前期実績) 3.69%(今期予想)※
※配当利回りは前期の配当実績値や今期の会社予想値を2023年2月24日の株価の終値で割って計算。以下同
10万円台以下の現物支給系で人気の優待株はこの銘柄!
2.宝 HD(2531)
生活に役立つ現物の優待品がもらえてお得感満点の優待株第2位は、酒造メーカーの 宝ホールディングス(2531) 。
優待取得には100株で10万6,800円と、10万円をわずかに超える投資金額が必要ですが、3月末の株主に100株保有で1,000円相当の自社グループ商品が贈られます。
2022年3月末の実績は、定番の極上360㎖など酒類3点でした。
忙しい日常生活の中、ほっと一息アルコールをたしなみたい人にはぴったりの優待といえるでしょう。
同社は、酒類のほか、コロナ検査キットを手がけるタカラバイオを子会社に持ち、海外で日本食材の卸売事業に乗り出すなど、成長性も高い点が魅力です。

■配当利回り3.46%(前期実績) 3.18%(今期予想)
3.レック(7874)
3位は、「激落ちくん」や「バルサン」などユニークな家庭用品を製造する レック(7874) 。
3月末に100株(投資金額9万4,400円)以上を保有する株主に、自社商品2,000円相当が贈呈されます。
優待品は「激落ちくん」シリーズの不織布ふきんやトイレクリーナーなど。9万円の投資金額に対する費用対効果は抜群といえるでしょう。
同社は原材料費の高騰で2023年3月期の業績予想を下方修正しました。
しかし、前期に比べて減配ではあるものの、1株あたり20円の株主配当金(3月末株主には半期分の10円)も還元されます。
株価も2022年7月の安値630円から底打ち反転して、50%ほど上昇中です。

■配当利回り3.18%(前期実績) 2.12%(今期予想)
4.ベルーナ(9997)
4位はカタログ通販大手の ベルーナ(9997) 。
3月・9月末の年2回、100株(投資金額6万9,000円)保有で、1,000円相当の自社取扱食品や酒類から1品を選ぶことができます。
2022年9月末株主からは、ワインに加えて日本酒も選べるようになりました。
ベルーナでよく買物をする人は、1,000円分の通信販売優待割引券、ネット専用優待クーポンを選択することも可能です。
同社の2023年3月期は、値上げで販売が低調だったため、ほぼ横ばいに近い減収減益予想になっています。
ただ今期も前期比1円増配の1株あたり20円(3月末株主には半期分の10円)の株主配当を予定しており、配当利回りは2.9%に達しています。

■配当利回り2.75%(前期実績) 2.9%(今期予想)
5.日精樹脂工業(6293)
5位は長野県坂城町に本社がある、プラスチックの射出成型機などの機械メーカー・ 日精樹脂工業(6293) です。
3月末に100株(投資金額約9万8,200円)保有で、ジャムなど1,500円相当の長野県および坂城町特産品ギフトが贈られます。
同社の2023年3月期の業績は増収・営業増益予想。
円安による為替差損を計上したことから純利益は減少しましたが、業績回復中。
今期の株主配当は前期より5円多い、1株あたり35円(3月末株主には半期分の15円)を予定しており、配当利回りも3.56%と高い点が魅力です。

■配当利回り3.05%(前期実績) 3.56%(今期予想)
今期業績不振。でも優待のお得感抜群の2銘柄も紹介!
業績が一時的に不振で今2023年3月期は無配に転落しているため、ランキングには入れていませんが、現物支給系優待品の中で特にお得感が高い2銘柄も紹介しましょう。
製紙メーカー国内2位の 日本製紙(3863) のペーパー優待なら、自宅に段ボール箱一杯のトイレットペーパーや紙タオルが送られてくる楽しみを味わえます。
3月末に100株(投資金額10万4,200円)以上保有で、同社の「スコッティ フラワーパック3倍長持ち4ロール(ダブル)無香料」など合計7点もの自社ペーパー類商品(2022年3月末の実績)が贈られます。
同社は燃料費の高騰や円安の影響で今2023年3月期は大幅な赤字決算となりましたが、値上げも あって、売上高は10%の増収。
最近は来期の業績好転を見込んで、株価も上昇傾向にあります。
ホンダ系の自動車部品メーカー・ ミツバ(7280) の群馬県特産優待も魅力です。
3月末に100株(投資金額5万1,000円)以上保有していると、株数に応じて同社の地元・群馬県産の特産品が贈られます。
2022年の実績は乾麺セットでした。
同社は自動車のワイパーシステムや二輪車のスターターモーターなどで高い世界シェアを誇っています。
ここ数年は売上高の減少にともなう業績悪化に苦しんでいましたが、今2023年3月期は増収増益を見込んでいます。
買物券・食事券優待で節約に役立つ人気優待株はこの5銘柄!
物価高が続く今、買物券や飲食券優待も家の外での買物や外食の出費削減に役立ちます。
そこで、楽天証券の「株主優待検索」で優待内容を「飲食券・飲食割引券」「買物券(百貨店等)」「買物券(対象分野限定)」に絞って検索。
その結果、有望と思われる銘柄を下の図に示しました。
生活に必要不可欠な買物券・食事券と考えるなら、とても役立つ優待ばかりなので取得を考えてみてもいいでしょう。
ただし、今回の検索条件にした「10万円以下で買える株」の中には、決算書に「継続疑義の前提に注記」「継続前提に重大事象等」が記載された業績不振企業も多い点には注意しましょう。
たとえ優待内容が魅力的でも、最悪、破たんしてしまう危険性もあるのでご注意ください。
銘柄名 購入金額
(100株) 優待内容 ヤマダホールディングス(9831) 4万7,900円 3月末に100株で500円分、9月末に1,000円分の買物優待券を贈呈。全国のヤマダデンキなど国内各店舗で税込合計金額1,000円ごとに優待券(500円)を1枚利用可能。今期予想配当利回りは3.76%。 アトム(7412) 8万200円 3月・9月末に100株で2,000円分の優待ポイント。ポイントはアトムだけでなく親会社のコロワイド、系列会社のカッパ・クリエイトの店舗でも利用可能。利用可能店舗はアトムの「ステーキ宮」「海鮮アトム」やコロワイドの「甘太郎」「北海道」、「かっぱ寿司」など。前期、今期(予想)ともに無配。 AOKIホールディングス(8214) 8万2,000円 3月・9月末に100株で、店舗で使える20%割引券5枚。他の割引券・割引特典とも併用でき、オンラインショップでも利用可能。紳士服などの買物割引券だけでなく、同社傘下のネットカフェ「快活CLUB」「コート・ダジュール」の利用料金が20%OFFになる割引券10枚ももらえる。
(トウシル編集チーム)