今日のレンジ予測

[本日のドル/円]上値メドは157.10下値メドは156.15 

米金利:パウエル議長「政策金利はピークに達しているが、利下げを確信する材料必要」
中国経済成長:2024年成長目標5%の達成は「かなり厳しい」
NZドル:RBNZ「FRBの利下げ、NZドルのレートに影響与える」
米インフレ:NY 連銀「失業率が大幅に上昇しない限り、2025年までにインフレ2%達成難しい」
英税金:英政府、石油・ガス部門への超過利潤税を1年延長


前日の市況

 5月22日(水曜)のドル/円相場は前日比0.61円の「円安」だった。


 この日発表された5月FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録は、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の記者会見よりもさらに「タカ派的」内容だった。議事録によると、多くの参加者は、現行の金利水準が引締め的であると見ているが、その引締めの程度については(充分なのかどうか)不透明であるとコメントした。


 この不確実性が生じている原因として、高金利の効果が過去よりも小さくなっている、あるいは長期的な中立金利が以前の想定よりも高くなっている可能性などが指摘された。FOMCメンバーの多くは、インフレに対するリスクが顕在化した場合には、さらに政策を引き締める意思があることを明らかにしている。


FRBは「再利上げ」を検討で、ドル/円は156円台後半まで円安
出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

 2024年103営業日目のドル/円は、156.12円からスタート。安値は東京時間朝につけた156.08円。


 6営業日ぶりに下落が156円台で止まると、その後は順調に上昇を続けた。明け方には156.81円まで上値を伸ばしてこの日の高値をつけた。

終値は156.81円。24時間のレンジ幅は0.73円。


主要指標 終値

FRBは「再利上げ」を検討で、ドル/円は156円台後半まで円安
出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

人生はたった1度きり。でも何かを成し遂げることが出来るなら、1度で十分だ


The Living Daylights

 FRBが高金利を長く維持しようとするのは、それが人々に期待されていると思っているからで、「われわれはちゃんと仕事していますよ」というアピールのようなものだ。しかし、金利の影響を受けにくい品目の物価が下がるまで金利を下げないというのは、合理的とはいえない。


 金利上昇がもたらす「不平等な痛み」を放置することは、高所得者層を助ける一方で、低所得者層をより長く苦しめる。それによって生じる不均衡が経済と資産市場を歪める。「より高く、より長く」の高金利政策は、単により高いリスクを意味するだけかもしれない。


 一方で、低金利政策に固執する中央銀行の国で加速するインフレの「痛み」もまた、所得格差が開くほど大きくなる。それだけではなく、インフレの不平等性そのものが、所得の不平等を悪化させている。


 食品や日用品が一斉に上昇するなかで、ナショナルブランド商品よりも比較的安価なプライベートブランド商品を選んだり、普通サイズよりも単価が安い大容量サイズを購入したりして生活費を抑える工夫をしている家庭は多い。


 しかし、貧しい家庭は初期費用を持っていない。5キロの米を買うお金がないからコンビニのおにぎりを買うしかない。割高だとわかっているが、生活の全てにおいて選択肢がないのだ。

インフレは、高所得者よりも低所得者により厳しく、貧富の差をさらに拡大させる。インフレの本当の邪悪さはここにある。


FRBは「再利上げ」を検討で、ドル/円は156円台後半まで円安
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今週の注目経済指標

FRBは「再利上げ」を検討で、ドル/円は156円台後半まで円安
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今日の注目テクニカルレベル

FRBは「再利上げ」を検討で、ドル/円は156円台後半まで円安
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ヒートマップ分析

FRBは「再利上げ」を検討で、ドル/円は156円台後半まで円安
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(荒地 潤)