共働きでダブルインカムなのに、家計管理はさっぱり…。そのまま気づけばあっという間に数年が過ぎていたというのも「共働きあるある」。
共働き夫婦の家計管理を始めるなら、まずは夫婦で意識のすり合わせをしよう
「わが家の家計、これでいいのかな?」「そもそもどうすればいいか分からない」と思ったら、ぜひ家計管理についてじっくり考えてみてください。
いきなり「きちんと貯蓄できて、ゆとりある生活を送れる完ぺきなやりくりをしなきゃ!」と意気込むと、どこから手を付けていいか分からなくなってしまいます。
まずはつまずきがちなポイントを確認し、徐々にやりくり意識を身に付けていきましょう。
「家計管理」つまずきポイント1:互いに相手任せで、何もしないまま時間だけが過ぎてしまう
子どものころからの金融教育がまだじゅうぶんに行き渡っているとは言えない日本。夫婦でお互いのお金事情を明かしたり、家計について話したりすることに「男なのだから家計にはノータッチでいたい」「お金のことを話し合うのは夫婦でも気まずい」といったネガティブなイメージを持つ人も少なくありません。
しかし、家計を聖域化して「相手がなんとか貯めておいてくれるだろう」などと他人事のようなスタンスでいると、いざお金が必要なライフステージに立ったとき初めて「どちらもたいして貯金できていなかった」と気づくような最悪のケースも起こりえます。
▶これで対策!「家計は夫婦の二人三脚で回す」という意識を共有する
まずは「家計管理は夫婦二人の共同ワーク」という意識を持つことこそ、最初の一歩。そのため、できるだけ早いタイミングで、休日など時間に余裕を持てるときにお金について夫婦で話し合う機会をつくりましょう。
お金の話題になると険悪な雰囲気になりかねないというカップルは、ファイナンシャル・プランナーによる家計相談など、外部の力を借りる手も。第三者が入ることで、冷静に家計を見直すことができますよ。
「家計管理」つまずきポイント2:本人はやる気になっても、パートナーが非協力的
家計管理を始めようとしたとき、夫婦ともにやる気を持てればベストですが、中には「計算の得意な夫だけがあれこれ思い悩んでいる」「妻が家計簿をつけても夫が興味を持たず、管理する意識を共有できない」などと、熱量に差がある場合もあります。
その場合、まずはふたりで同じ方向を見てやりくりできるよう、意識をすり合わせる必要があります。
▶これで対策!家計管理や貯蓄についての意識を共有できる、具体的な行動を起こす
できるだけ具体的に、二人の将来にとって貯蓄や家計管理が大切であることを実感できるようなアクションを起こしましょう。
ポイントとなるのは「いつ」「いくらぐらい」という数字に基づく納得しやすいデータや、実際に貯蓄につながる行動です。
●将来のライフプランを描く
夫婦で漠然と「いつかマイホームが欲しいね」と言い合っているだけでは、なかなか重い腰を上げにくい人もいます。そこで二人で取り組んでほしいことが、「ライフプランをつくる」こと。

「今27歳で、30歳までに第1子が欲しい」「35歳ごろに妻の実家の近くにマイホームを建てたい」といったライフイベントを想定すると、必然的にそれらにかかる費用について具体的に考えることにつながります。
ファイナンシャル・プランナーに有料で作成してもらうほか、金融庁が無料で公開しているシミュレーターなどを利用する方法も。年収や子どもの数、マイホームの希望などを入力すれば簡易なグラフで年齢別の貯蓄残高などを見ることができます。
・金融庁「 ライフプランシミュレーター 」
まずはわが家のお金に関するイメージをより具体的にすることが目標なので、将来に向けてはっきり定まっていないことでもどんどんシミュレーションしてみましょう。
●貯蓄用の口座をつくる
実際に家計管理を始めるとき、おすすめしたい方法が「先取り貯金」です。
これは給料などの定期収入からまず貯金するお金を取り分けて貯金してしまい、残りのお金を生活費としてやりくりするもの。
そのお金を貯める先が貯蓄用口座となります。生活費口座と分けて管理することで、貯金額が把握しやすく、モチベーションアップにもつながります。
それぞれの収入を給料の振込口座などに入れっぱなしで、互いに余ったら貯金するつもりでいると、なかなか貯めることはできないのが人情というもの。
まずは「貯蓄用口座」「生活費口座」をつくることで、貯める意識や家計管理をする熱意を夫婦ともに持てるようにしましょう。
・ 楽天銀行(旧イーバンク銀行)- ネット銀行
「家計管理」つまずきポイント3:相手の収入や支出が分からず、管理のきっかけがつかめない
夫婦で家計管理へのモチベーションを共有できたら、実際のやりくりのための準備へと進みましょう。
「独身時代はそれぞれが自由にやりくりしてうまくいっていたから」といって、結婚後もそうなるとは限りません。収入が2本柱になることで気持ちが緩み、かえって自分の支出管理が甘くなってしまうことも…。
また、夫婦どちらかが家計管理の意識が強くても、相手の家計状況が分からないままだとモヤモヤした気持ちを抱えながらあいまいなやりくりをすることになりかねません。
▶これで対策!二人とも家計を把握できる仕組みをつくる
お互いの収入や支出がどうなっているか、夫婦で確認し合う意識を持ちましょう。
家計を把握する王道は、やはり「家計簿をつける」こと。細かな支出が分かるのはもちろん、毎月決まって出ていくお金(固定費)がいくらで、やりくりしだいで節約できそうなお金(変動費)はどのくらいかといった予算をイメージする力をきたえることもできます。

家計簿には市販のものから、一般的なノートを使いやすくカスタマイズした自作家計簿などさまざまなタイプがありますが、夫婦でつけるなら家計簿アプリを利用するのもおすすめ。スマートフォンから気軽に入力できたり、レシートを撮影するだけで費目や金額を入力してくれたりと便利な機能を備えたものがいろいろとあります。
夫婦それぞれが好きなタイミングで家計簿を入力したり確認したりできるような、手間いらずの仕組みかどうかを重視して選ぶと、続けやすくなります。
その上で月に1回は夫婦で家計について確認したり、話し合ったりするミーティングを設けると、ともに当事者意識を持って家計管理できるでしょう。
【おすすめの家計簿アプリ】
楽天家計簿
マネーフォワードME
マネーツリー
Zaim
+1ヒント 忙しくて家計簿をつけるのもどうしても面倒という場合は、できるだけキャッシュレス決済にしたり、インターネットショッピングなど履歴の残る方法で支払うことも考えてみては?
後から使い道を追えれば、ざっくりとでも支出を把握することができます。
「何にいくら使ったかも分からないけど、月末にはいつもお金が足りない」というパターンだけは避けましょう。
まとめ:家計管理の第一歩は「夫婦のコミュニケーション」から

初めての家計管理の考え方として、おおきく分けて三つのポイントをご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
全ての考え方に共通するのが、「家計管理はどちらかだけが一方的にするのではなく、夫婦二人の二人三脚で行う」ということです。
いきなり「夫婦できちんと家計管理しなくては」「二人ともちゃんと貯めるようにならないと」と気負うと、プレッシャーになってしまうかもしれません。
まずは「夫婦の間の風通しを良くする」「お金について自由に気軽に話し合える雰囲気をつくる」といった夫婦間のコミュニケーションを積極的に行うことから、徐々に家計管理へとつなげていくことを目指してみては?
(トウシル編集チーム)