FXは24時間取引できることが大きなメリットです。ではどの時間にいちばん動くのでしょうか? その時間帯を知っていれば、1日中ずっと相場に張りつくことなく、時間を有効に活用できるかもしれません。
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]↑上値メドは142.00円↓下値メドは139.50円日銀:これほど超低金利のなかで利上げしたところで、だれも日銀がタカ派とは考えない
パウエルFRB議長:任期は2026年7月まで。トランプ大統領による更迭は法律上不可能も、レームダック状態になる可能性高い
米インフレ沈静:大都市圏のインフレは、過去数カ月2.0%以下で推移
RBA:インフレ下落と労働市場の減速が利下げサイクル開始のサイン
チープフレーション:企業が商品の価格を据え置いたまま、品質を低下させたり、数量を減らしたりすることによって、コストを抑える現象
ドル/円はどの時間にいちばん動くのか?
昨年12月までは、相場が最も動く時間帯は、米国の雇用統計や消費者物価指数の発表がある、東京時間の21時から23時と決まっていた。しかし、トランプ氏が大統領になってから相場の中心時間帯が変わってきたようだ。
下のグラフは、今月(4月1日から18日)のドル/円の毎時の最大値幅(青ライン)、最小値幅(赤ライン)、平均値幅(緑ライン)を表示したものだ。(値幅とは1時間の高値と安値の差額で、円高、円安の方向は考慮しない。150円から151円までドル高に動いた場合も、150円から149円にドル安に動いた場合も、1時間の値幅は、同じ1.00円として表示している。)

今月のドル/円の値幅が大きかった時間帯は東京時間未明の2時から3時の間で、平均0.79円動いた。反対に値幅が小さかった時間帯は朝の6時から7時の間で、平均0.36円しか動いていない。1日の平均値幅は0.48円。昨年まで最も動く時間帯だった米国指標の発表時間の21時から22時の今月の平均値幅は0.44円。マーケットが最も関心は雇用統計やインフレ率よりも、「トランプ発言」であることは明らかだ。

ユーロ/円の場合、値幅が大きかった時間帯は東京時間夜遅くの23時から24時の間で、平均0.81円動いた。反対に値幅が小さかった時間帯は昼の11時から12時の間で、平均0.32円しか動いていない。1日の平均値幅は0.52円。

ポンド/円の場合、値幅が大きかった時間帯は東京時間未明の2時から3時の間で、平均1.15円動いた。反対に値幅が小さかった時間帯は昼の11時から12時の間で、平均0.39円しか動いていない。1日の平均値幅は0.65円。クロス円は東京時間の昼は動きが鈍いので、取引向きの時間帯ではないようだ。
2025年 主要指標

今日の為替ウォーキング St. Elmo's Fire
今日の一言
法は破られるためにある。が、ルールは守るためにある
St. Elmo's Fire
インフレは、基本的に「需要主導型」と「供給主導型」に分類される。物価と消費の両方が上昇している場合は、需要の強さがインフレを引き起こす。一方、物価が上昇しているのに消費が減少している場合は、供給の制約がインフレを引き起こしている可能性が高い。昨年6月以降の米国のインフレ上昇は、供給が需要よりも大きな問題となっている。
移民労働者の大規模な国外追放が、トランプ2.0政策の目玉となっているが、これは「労働力の供給不足」による賃金インフレを招くおそれが高い。また貿易関税で、米消費者が買う輸入品の値段は高くなる。海外から部品を調達している企業はサプライチェーンの機能不全によって製品を値上げする。いずれもインフレ要因だ。
トランプ政権は米国の貿易赤字の縮小も、重要な課題として掲げている。しかし、米国の貿易赤字は、米国株や優良アセットへのグローバル投資を支える資金を供給しているという事実と照らし合わせて考えなければならない。負債の増加は、米国への投資機会を探すマネーがかつてないほど増えているということでもある。貿易赤字を解消すれば、マネーの流れはストップして資産評価は下がる。貿易関税を課すことで為替レートはドル高に調整される。その結果、関税効果は消失して、貿易赤字だけがそのまま残ることになる。

今週の注目経済指標

タイムゾーン 分析

(荒地 潤)