直近決算で減収減益、地方財政の悪化で二大ゼネコンの決算内容が類似
現地コード 銘柄名 01186中国鉄建
(チャイナ・レールウェイ・コンストラクション)
株価 情報種類
5.44HKD
(6/25現在)
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中国の二大ゼネコンである中国鉄建の決算内容は、もう1社の中国中鉄(00390)と同様の傾向を示した。中国鉄建の2024年12月通期の売上高、純利益はそれぞれ前年比6.2%減、14.9%減。
中国の二大ゼネコンは現在の業界環境を共有する形となり、うち中国鉄建の2024年通期の売上高と純利益は前年比6.2%減、14.9%減。粗利益率は9.9%と、ほぼ前年(10%)並みで、販売および一般管理費は売上高より小幅の減少幅だった。コスト面で目立ったのは、財務費用の70.5%増。建材などのサプライヤーや下請業者への支払いを期日通りに行う半面、発注者である地方政府からの代金回収が遅れたことが響いた。営業キャッシュフローは310億元のマイナス(赤字)となり、売掛債権は29.6%増。利子付きの債務は50.1%膨らんだ。それでも、中国鉄建は配当性向を18%と、同業他社よりやや高い水準に維持している。
中国では一部の地方政府が財政難に直面している。インフラ建設プロジェクト向けの資金は土地販売収入で賄うため、一線都市(四大都市)や一部の二線都市など、主要都市部は今も、インフラ投資を継続することが可能。ただ、それ以外は苦しく、一部は地下鉄建設プロジェクトの停止に追い込まれている。こうした中、建設市場では大手ゼネコンが優位にあり、民営企業のシェアが縮小傾向。大手各社はまた、海外市場の開拓を強化している。
中国鉄建は営業キャッシュフローの黒字化を目指すとともに、配当性向を18%に維持する方針。新規受注額は2024年に前年比7.8%減少したが、2025年に関しては2%増を見込む。
BOCIは前年実績の低さから、2025年には売上高が前年比3%、純利益が同6.1%増加すると予想。国内建設業界の問題点を考慮した上で、2025年予想PER4倍というかなり保守的なバリュエーションを維持し、目標株価を引き下げた。株価の先行きに対しては強気見通しを継続している。
一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、販売管理費と財務費用に関する不透明感を挙げている。
(Bank of China int.)