2025年上期は16%超の増収、神経介入製品の低迷もTAVR部門で新製品投入相次ぐ

現地コード 銘柄名 09996

沛嘉医療


(ペイジャ・メディカル)


株価 情報種類

8.65HKD
(8/8現在)


株価
企業情報
チャート

 インターベンション(カテーテル治療術)用製品の開発製造を手掛ける沛嘉医療の経営指標によれば、2025年上期の売上高は前年同期比16.2-19.5%増の3億5,000万-3億6,000万元と、BOCIの予想をやや下回る水準だった。主に当局主導の集中調達制度が影響した形。


 経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)用製品、神経(ニューロ)インターベンション製品の売上高が、それぞれ約25%増、10-15%増だった。BOCIは2025年末以降の相次ぐ新製品の投入を控え、現在移行期にあるTAVR業務について、この増収率は予想の範囲内だったと指摘。


 一方の神経インターベンションに関しては、集中調達制度の影響を考慮し、収益見通しを下方修正した。同社の目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。


 TAVR部門を見ると、同社製品を使った上期の施術件数は前年同期比18.8%増の2,050件超と、業界平均を上回る伸び。720超の病院をカバーし、営業スタッフ数は業界最多の約200人を維持した。新製品「TaurusMax」の投入に伴う製品構成の変化が値下げによる影響を相殺し、平均販売価格もやや改善。粗利益率が回復し、新工場の稼働によるマイナス影響を吸収した。


 TAVR部門では今後、新製品の発売が相次ぐ見込み。「TaurusTrio」(大動脈弁逆流症向け)が2025年末-2026年初頭、「TaurusNXT」(第3世代の長期作用型TAVR向け)が2026年4-6月期、経カテーテル僧帽弁置換術(TMVR)用の「GeminiOne」が同年7-9月期の投入を予定する。


 同社は内TaurusTrioの初年度販売台数を1,000-2,000台と予想。大動脈弁狭窄(きょうさく)症向けTAVRの初期導入時を上回るペースを見込む。


 一方の神経インターベンション製品の上期の業績は、会社側とBOCIの予想をいずれも下回った。河北省主導のバルーン拡張カテーテルの調達や吉林省主導のコイル調達の遅れが背景。ただ、「DCWire」(同社が特許権を持つ操作可能なマイクロガイドワイヤー)の急成長を受け、血管アクセス製品の売上比率は引き続き上昇傾向を示した。


 経営陣によれば、部門売上高の下振れは施術件数ではなく、集中調達制度を通じた製品価格の下落が原因。今後は血流改変ステントの販売増などを背景に、成長回復が見込めるという。


 BOCIは上期の神経インターベンション部門の業績下押しを指摘する半面、TAVR部門の進展を高く評価。ディスカウントキャッシュフロー(DCF)方式に基づく目標株価を上方修正し、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。


 レーティング面の潜在リスク要因としては、バルブ製品市場における競争激化、TAVR製品の販売増や研究開発の進捗(しんちょく)が遅れる可能性、神経インターベンション製品の集中調達リスク、TAVR製品のさらなる値下がりの可能性を挙げている。


(Bank of China int.)

編集部おすすめ