「わが家の家計が把握できない」という悩みの解決策の王道は「家計簿」です。メジャーな方法でありながら、実はスタートでつまずいてしまう人も少なくありません。
家計簿の項目は徹底的に絞ると簡単&スピーディに家計を把握できる
「家計の無駄をなくし貯金を増やす」目的を持ったとき、家計簿は大きな味方です。しかし共働きで忙しかったり、ズボラで面倒なことが苦手だと感じていたりする人には、なかなかハードルが高いですよね。

そこで、できるだけシンプルな「ざっくり家計簿」を作ることをおすすめします。具体的にどんな内容にすれば良いのか、順を追って解説していきます。
家計簿は「ラクに続く」コツが必要
家計簿には「何に使ったか」を記録するための「項目(費目)」が必要です。一般的な家計簿にはどのような項目があるか、まずは以下をご覧ください。
家計簿の主な項目(一例)
固定費 住居費 家賃・住宅ローン、管理費・共益費、固定資産税 水道光熱費 電気代、ガス代、水道代 通信費 携帯電話代、固定電話代、インターネットのプロバイダー料金、NHK受信料 など 保険料 生命保険料、医療保険料、住宅保険料、自動車保険料 など 変動費 食費 主食費(米・パンなど)、副食費(肉・魚・野菜など)、調味料代、加工・冷凍食品代、嗜好(しこう)品(お菓子・飲料・酒など)代、外食費 など 日用品費 キッチン用品代、洗剤・掃除用品代 など 衣服・美容代 衣料品代、靴代、ファッション小物(アクセサリー・時計など)代、化粧品・美容用品代、美容院・理容院代、クリーニング代 など 医療費 医療費(診察・治療)、薬代(処方薬・市販薬)、健康診断・予防接種費 交通費 公共交通機関利用料(電車・バスなど)、ガソリン代、車検・メンテナンス代 など 子ども関連費 学費・授業料、幼稚園・保育園料、塾・習い事費、教材・文房具代、子育て用品代 など レジャー・娯楽費 映画・コンサートなどのチケット代、趣味・習い事費、書籍・雑誌・新聞購読費 など 交際費 飲食代、プレゼント代 など ペット関連費 医療費、ペット用品代 など 特別支出 家具や家電代、家の修繕・リフォーム費、冠婚葬祭費、帰省費用 など
上記は一例ですが、細かく分類するとかなりの項目数になることが分かると思います。
これを見て「こんなに細かくつけられない!」と感じた方もご安心ください。
家計簿は「家計を把握して改善し、貯金を増やす」という目的が達成できればOK。「細かく丁寧な家計簿を仕上げること」が目的ではありません。
月ごとの家計は季節などの条件によっても変わるため、把握するためには一定期間記録し続ける必要があります。「自分にとって無理なく続けられるか」がポイントです!
そのため、できるだけ必要最小限の項目に絞りましょう。
6項目だけ!「ざっくり家計簿」
では、具体的にどんな項目を、いくつぐらい設定すれば良いのでしょうか。最低限必要な項目をピックアップしてみました。
基本の「ざっくり家計簿」の項目例
固定費 住居関連費、水道光熱費、通信費、各種保険料 など 食費 食材、飲料、外食費 など 日用品費・雑費 日用品や消耗品 など 娯楽・交際費 飲食代、プレゼント代、趣味費、レジャー費 など 特別支出費 家具や家電代、冠婚葬祭費 など その他 上記に当てはまらないものや分類しにくいもの この家計簿の特徴
- 毎月決まって出ていくお金は「固定費」でまとめる。
- 不定期に発生する支出は「特別支出費」にまとめる。
- 「食費」は、自炊・外食を問わず「食に関わるお金」として計上する。
- 主要な5項目以外は「その他」に含めるものとする。何に使ったか分からないお金もここに入れ「どこにも分類されないお金」が出ないようにする。
ご覧のとおり、「6項目」となっています。
家計簿ビギナーにとって、項目が多いと分類に迷い、時間がかかったり疲れたりして三日坊主になる可能性があります。また、項目を細分化しすぎると、無駄遣いの傾向がかえって見えにくくなることもあります。

まずは主要な項目だけ分類し、おおまかにでも家計を把握する習慣をつけましょう。
少なくとも食費と日用品費は分類されているので、使いすぎに気づきやすくなります。この2項目は日ごろのやりくりがダイレクトに節約効果につながるので、モチベーション維持にも役立ちます。
慣れたらカスタマイズし、家計簿をパワーアップ!
上記の「ざっくり家計簿」は、あくまで「必要最小限」。家計簿のハードルを下げて一歩踏み出すための、ミニマルな内容といえます。
もちろんこれだけでも、記録していけばおおまかな支出をつかみ、家計の改善につなげます。ざっくりとでも家計を把握しているのと、何も考えずにお金を使っているのとでは、やりくりに大きな差が出ます。
しかし、そのうち「外食しすぎかどうかを確認したい」「毎月お小遣いを使い切っているかチェックしたい」などの細かいニーズが出てくることでしょう。

そうなったら、ステップアップのタイミングです。自分のニーズに合わせて、項目をカスタマイズしましょう。必要に応じて項目を増減し、ベストな状態を探っていきましょう。
例えば、基本の「ざっくり家計簿」では食材の無駄遣いか、外食の多さかの判断が難しいです。その場合、「食費」を「自炊費(家で作る食事にかかるお金)」と「外食費(家の外での食事にかかるお金)」とに分ければ、それぞれの改善点が見えてきます。
ほかにも項目をカスタマイズする際は、次のような点を意識しましょう。
- 毎月定期的に使わない支出は、個別の費目を立てない
「年2~3回、美容院に行く」などの支出は、その都度対応する項目を立てると管理が大変になります。「美容費」を「小遣い」に含めるなど、大きな項目に含めるのがおすすめです。
- まとめても問題ない支出なら、項目を一つに絞る
「食材も日用品も同じスーパーで買う」なら、「〇〇スーパー」という項目を立て、一つにまとめても良いでしょう。
その場合は買い物の頻度に合わせて月または週の予算を決め、全体で金額がオーバーしないかを主にチェックします。
こうして少しずつ自分の性格や生活スタイルにフィットさせていくことで、だんだんと「自分に最適な家計簿」に近づいていくはずです。
まとめ:家計の見直しはステップを踏もう
忙しくてもズボラでも続く「ざっくり家計簿」の項目づくりのポイントをご紹介しました。
家計簿は、継続してこそ効果を発揮します。そのため、
とハードルを低く設定し、まずは「始める」ことをおすすめします。
無理なく継続する習慣がついてきたら、グレードアップすることで、挫折せずに「自分に最適な家計簿」を作ることができますよ。
(しま)