台東区の道路に、オレンジ色の「ポストコーン」と呼ばれるラバーポールが、おびただしいほど「密」に並んでいるという異様な光景が見られる場所があります。背景には、そこまで多くのポストコーンが「必要になった」理由がありました。
東京都台東区、春日通りの交差点に、オレンジ色の車線分離標(通称:ポストコーン)が隙間なく並ぶ光景があります。1、2m程度の間隔で並んでいるのは他の場所でも見かけますが、ここまで密集しているのは珍しく、見た目にもインパクトがあります。
おびただしい数のポストコーンが並ぶ春日通り(2020年11月、乗りものニュース編集部撮影)。
この交差点、2020年3月時点では、ポストコーンの先端から左右に短いポールが伸びる、T字型のものが並んでいました。それが現在のように変わったのは、安全対策の一環のようです。
道路を管理する東京都によると、道路の南側に、都営大江戸線とつくばエクスプレスの新御徒町駅の入口があり、横断歩道つきの交差点が近くにあるにもかかわらず歩行者の無理な横断が多く、交通事故も過去に多発したといいます。
沿線店舗の車両出入りのための切り下げ部などがあるため、横断防止用の柵で歩道と車道との間を封鎖することはできません。また、中央分離帯を設置できる十分な道路幅もありません。事故防止のため、都は警察との協議も経て、センターラインにT字型のポストコーンを設置して、隙間を極力なくす形で横断防止を図りました。
しかしT字型のポストコーンでは、水平ポールを曲げて強引に突破する横断者が後を絶ちませんでした。そこで都は今年、道路の修繕でアスファルト舗装を全面的に打ち替えるのを機に、ポストコーンを密に並べる方法に踏み切ったのです。
現地は警察の規制により、歩行者横断禁止となっています。