JR車内の英語放送で「りんかい線」を案内する際、鉄道会社名が「ローマ字読み」で読み上げられています。英語表記ではないのには、何か背景があるのでしょうか。
JRの車内放送で、大崎駅や大井町駅、新木場駅で東京臨海高速鉄道りんかい線への乗り換えを案内する際、英語のアナウンスは「Tokyo rinkai kosoku tetsudo rinkai line」と、日本語をそのまま英語のイントネーションで読んだものになっています。長い名称も相まって、インパクトはなかなかのもの。
りんかい線で使われている70-000形電車(画像:photolibrary)。
しかし東京臨海高速鉄道、ちゃんとローマ字読みでない英語表記の会社名があります。同社ウェブサイトでは「Tokyo Waterfront Area Rapid Transit .Inc」と表記されているのです。ちなみに、りんかい線との乗り換え駅を持つJR以外の鉄道会社、東京モノレールと東京メトロでは、英語放送はシンプルな「Rinkai line」とのみ放送されます。
なぜJRだけが英語放送で、会社名を日本語のまま読み上げているのでしょうか。
JR東日本に確認したところ、英語放送を行う際、鉄道会社名は日本語表記を踏襲する形で統一されているとのこと。西船橋でJRと接続する「東葉高速鉄道」を案内する際も、「Toyo kosoku tetsudo」と放送されています。この形になった経緯は不明だそうです。
埼京線からりんかい線に直通する電車で乗り合わせたアメリカ人は、「(この案内は)少し奇妙だけど、普段の生活では乗り換えを調べるのにナビアプリを使っているので、特に気にならない」と話していました。
外国人向けの案内については、一部の自治体の施設内で「madoguchi」(窓口)など、日本語をそのままローマ字にしたものが掲出され、SNS上でも一時話題になりました。
鉄道会社名を外国人向けに案内する際も、外国人が道案内などで日本人とコミュニケーションを取るにあたり、英訳した名前よりも、固有名詞として日本語をそのまま用いるほうが、互いにスムーズになるという考え方もあるのかもしれません。