阪神高速道路の5号湾岸線が誕生して、30年を迎えました。六甲アイランドからさらに西側への延伸工事が進んでいるほか、新たなPAも予定されています。
阪神高速道路の5号湾岸線が誕生して、2021年9月18日で30年を迎えました。
阪神高速5号湾岸線が誕生して30年(画像:写真AC)。
1991(平成3)年に5号湾岸線最初の開通区間となったのは、南港北JCT~中島出入口です。すでに天保山から出島出入口へ伸びていた4号湾岸線と連絡し、臨海工業地域の輸送路として、かつ阪神間の新たなルートとして一歩踏み出したのです。3年後の1994(平成6)年には六甲アイランドまで一気に延伸、現在に至ります。
開通から30年、六甲アイランド延伸から27年が経過しましたが、5号湾岸線はこの先どうなっていくのでしょうか。
六甲アイランドから西は「大阪湾岸道路西伸部」に位置づけられ、ポートアイランド、和田岬付近を経由して、第二神明道路に直結するという構想になっています。都市計画決定は2009(平成21)年までに完了済みです。
このうち、六甲アイランド北出入口~駒栄ランプ(仮)間が2016(平成28)年に事業化。駒栄ランプは湊川JCTのすぐ南に位置し、31号神戸山手線および3号神戸線と接続する予定となっています。開通すれば、5号湾岸線は神戸市中心部をバイパスする高速道路として、また神戸空港へのアクセス路線として、重要な役割を担うことになります。
2018年に工事着手。
一方、六甲アイランドから神戸市中心部までは、阪神高速の延伸と同時期の1993(平成5)年、臨海部の道路が全通しています。それが神戸市港湾局の管理する「ハーバーハイウェイ」です。5号湾岸線の住吉浜出入口から直結し、摩耶埠頭を経由して神戸新港へ向かう有料道路で、線形を見るとまるで5号湾岸線の延長線上にあるように思えるかもしれません。

5号湾岸線に代わって六甲~三宮の市街地をバイパスするハーバーハイウェイ(画像:写真AC)。
しかし、5号湾岸線の西伸ルートは、これとは別に引かれることとなりました。
というのも、ハーバーハイウェイは道路法に基づいた道路ではなく、港湾施設として造られたもので、橋梁や高架は立派なものに見えますが、道路規格は阪神間の大動脈となりうるスペックではありません。最高速度も60km/hと低いものです。
しかしながら、ハーバーハイウェイは慢性的な渋滞が発生する神戸市街地の国道2号や国道43号をバイパスする役割も担っており、5号湾岸線を補完しています。なお、長らくETCが未導入でしたが、2022年度に導入予定となっています。
開通済み区間でも変化が5号湾岸線では、開通済み区間でも動きがあります。
阪神高速では、事故削減などを目的に、管内の「本線料金所」をなくす取り組みを進めており、すでに南芦屋浜料金所が2017年に撤去されたほか、3号神戸線の尼崎本線料金所(2016年)、4号湾岸線の高石本線料金所(2020年)、泉大津本線料金所(2021年)が撤去済みです。残る撤去対象が、芦屋本線料金所(3号神戸線)と、中島本線料金所(5号湾岸線)です。
2019年、南芦屋浜料金所の跡地には、新たに「南芦屋浜PA」が設置されました。料金所の跡地といってもスペースは限られているため、サーキットのピットレーンのように細長い、高速道路の中でも有数の「ミニミニPA」となっています。
さて、中島本線料金所は2021年度内に撤去完了予定です。跡地はどうなるのでしょうか。阪神高速は大阪方面行きに「新中島PA(仮)」を設置予定としています。
中島料金所は海上の小さな「浮き島」のような土地にあり、向かい側の神戸方面にはやはり「ミニミニPA」である中島PAがあります。
航空写真で見ると、本線3車線と進入路2車線の合流で料金所が7車線となっており、設置予定の「新中島PA(仮)」は余裕分の2車線分と中央分離帯の縮小分で捻出されたスペースに収まる、これまた「ミニミニPA」となりそうです。