東海道・山陽新幹線で2020年にデビューした最新車両「N700S」。従来型と何が異なり、どう快適になったのでしょうか。
東海道・山陽新幹線で2020年にデビューした最新車両「N700S」。これまでのN700系・N700Aに対し、さまざまな面で進化していることから、「最高」を表す「Supreme」の「S」が付けられています。
新幹線N700S(画像:写真AC)。
ところで「N700S」はパッと見で従来型とあまり大きな違いはなさそうですが、ホームに入線してきた車両をどうやって「N700Sかどうか」見分けられるのでしょうか。また、乗ってみて実際にどんなメリットがあるのでしょうか。
●N700Sの見分け方
一番分かりやすい特徴が、先頭部の「ヒゲ」のようなラインです。側面に水平に引かれた紺色のラインは、従来型は乗務員室ドアあたりまでで終わっているのに対し、N700Sはさらに先端部へ、運転席を超えたあたりまで「頬骨」に沿うようにラインが引かれているのです。このヒゲは「S」の文字をイメージしているとも言われています。
さらに側面のロゴは、青色のN700Aロゴに対し、金色のN700Sロゴ。これも分かりやすいです。
先頭形状もよく見ると異なっていて、N700Sは「しもぶくれ」のような顔。
●N700Sならではの「快適インテリア」とは
まず、新幹線ユーザーの悲願と言えるのが、「全席コンセント」の実現です。また、あると地味にありがたいのが、前座席のテーブルの上側にあるフックです。買い物袋などを引っ掛けることができ、座席回りの小物の置き場に困ることがありません。細かい点では、窓枠の物置きが改良され、窓のカーテンを下ろしても飲み物などが置ける幅になっています。
座席は、リクライニングの際に、座っている部分が同時に下に沈み込む構造になり、より快適になります。グリーン車は足元空間をより広く確保し、足置きも大きくなっています。
「N700Sに乗りたい」どうやって調べる? 激レア車両も●N700Sがどの列車に使われているかを調べる方法
N700Sは、登場から3年が経過した2023年7月現在、いまだ「少数派」な存在です。まだ43編成しか投入されておらず、何本か待っていればすぐ出会えるわけではありません。今後、さらに21編成が追加投入される予定です。
確実に「この列車はN700S」と分かる方法が、時刻表です。JR東海はWebサイト上で約3か月スパンの新幹線時刻表を掲載しており、そこでN700Sの車両がほぼすべて判別できるようになっています。
紙の時刻表でも、「JTB時刻表」では全列車の形式が明示され、「JR時刻表」ではN700系以外の”少数派”のみ、形式が別記されています。もちろん、N700Sが使われている列車も一目瞭然です。この時刻を狙って指定席を予約すればいいのです。
●わずか3編成の「激レアN700S」もある
N700Sは、JR東海とJR西日本の両者がそれぞれ自前の車両を保有しています。ほとんどが東海のもので、西日本はわずか3編成しかありません。JR西日本のN700Sに乗れたらラッキーというわけです。
中身が特に変わるわけではありませんが、側面部のJRロゴが東海はオレンジ、西日本は青となっています。一番の違いが、車内チャイムが東海は「会いに行こう」、西日本は「いい日旅立ち・西へ」になっていることです。