東京の新名所「麻布台ヒルズ」には、虎ノ門ヒルズのように東京メトロの新駅はありません。しかし、直接の乗り換えが難しい日比谷線と南北線に変化がもたらされます。
森ビルが手掛ける東京の新たな“ヒルズ”、「麻布台ヒルズ」が2023年11月24日に開業しました。約330mで日本一高いビルとなった「麻布台ヒルズ森JPタワー」のほか、高層ビルと庭園などからなる複合施設です。
東京メトロ日比谷線(左)と南北線は接続駅がない(画像:写真AC/乗りものニュース編集部)。
その敷地は広く、東京都港区麻布台、虎ノ門、六本木にまたがります。現地の看板などでは、東京メトロ日比谷線の神谷町駅と、南北線の六本木一丁目駅へのアクセスが案内されています。
ただ、「虎ノ門ヒルズ」開業の際は日比谷線に虎ノ門ヒルズ駅ができましたが、今回は新駅開業はありません。
日比谷線と南北線は、この近くの麻布通りと外苑東通りが交わる飯倉片町交差点の地下で交差しているものの、そこに駅はありません。このため両路線を行き来するには必ず2度以上の乗換が必要で、接続駅がなぜないのか、といった声が昔からありました。
しかし、麻布台ヒルズを介して両路線は“直結”することになります。
神谷町駅はすでに麻布台ヒルズの「ガーデンプラザ」に直結しており、地下道「セントラルウォーク」を介して各施設へアクセスが可能です。このセントラルウォークは現状、途中までしかつながっていませんが、図面では麻布通りに面して建設中の高層ビル、麻布台ヒルズ「レジデンスB」直下を貫くようになっています。
神谷町駅~六本木一丁目 乗り換えは厳しい?森ビルによると、そのルートは非公表ではあるものの、2025年には麻布台ヒルズから六本木一丁目駅まで地下でつながる予定だそう。
ただ、この通路を両路線の乗り換え用に使うのは、ちょっと厳しいかもしれません。
神谷町駅に対し、六本木一丁目駅は山一つ隔てたような位置にあり、両駅の間は、麻布台ヒルズ開業に際して新設された道路「桜麻通り」もかなりの高低差があります。神谷町駅からのセントラルウォークも、地下とはいえフラットではなく、2度のアップダウンがあるほどです。

南北線の六本木一丁目駅。谷間の地形に位置している(乗りものニュース編集部撮影)。
仮に地下道がつながった場合は700m以上の距離になると思われます。東京メトロによると、麻布台ヒルズと六本木一丁目駅を結ぶ地下道はフラットになるとのことですが、六本木一丁目駅の駅改札フロアまでの間にはアップダウンがあります。
ちなみに、東京メトロによると、日比谷線と南北線の接続駅を新たに設ける計画は、やはり現時点ではないといいます。