2023年は、山形新幹線用の新型車両E8系が落成しました。先に登場した秋田新幹線のE6系をベースとしていますが、異なる点もかなりあります。

最高速度をE3系の275km/hから300km/hへ引き上げ

 相鉄・東急直通線や宇都宮ライトレールの開業など、多くの動きがあった2023年の鉄道。新型車両では、山形新幹線のE8系が姿を現しました。いよいよ2024年春に営業運転を開始する予定です。

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E8系新幹線の先頭車(乗りものニュース編集部撮影)。

 E8系は、山形新幹線としては400系、E3系につづく3世代目となります。川崎車両と日立製作所で計15編成を製造し、同数が存在するE3系を置き換える見込み。

最高速度がE3系の275km/hから300km/hへ引き上げられたことが特徴です。
 
 デザインは、フェラーリのデザイナーとして知られる奥山清行さんが代表を務めるKEN OKUYAMA DESIGNが監修。なお、KEN OKUYAMA DESIGNは秋田新幹線E6系や北陸新幹線E7系・W7系なども手がけています。

 外観はE6系に似ているものの、「鼻先部分」は13mから9mに短くなりました。E8系の最高速度は300km/hで、E6系の320km/hより低く、この速度域ならそこまでのロングノーズである必要はないといいます。また、E6系の定員は330人でしたが、E8系では355人に増加しており、速達性と輸送力を両立させています。


 
 とはいえ車体断面としては、先頭以外はE6系と同じにすることで、設計・製造コストを抑えています。ただ、E6系で採用された、カーブ通過時に車体を横へ傾ける「車体傾斜装置」は採用されていません。
 
 カラーリングは現在のE3系と同じ配色を継承。上半分が紫色「おしどりパープル」、下半分が白色「蔵王ビアンコ」、真ん中にオレンジの帯「紅花イエロー」となっています。

2024年春ダイヤ改正でまずは3往復に投入

 車内の座席は、普通車が上から黄色→紅色のグラデーション、グリーン車が青緑色、床には最上川をイメージしたデザインが施されています。車内の印象もE6系に似ていますが、コンセントの位置が足元から肘掛けの付け根に変更されています。


 
 さて、E8系は2023年2月に仙台近郊の新幹線総合車両センターで報道公開。8月には東京新幹線車両センターで有料撮影会も開催され、首都圏でもお披露目されています。
 
 今後、2024年3月9日(土)と10日(日)に、一般向け試乗会が実施される予定。JR東日本は1月15日(月)~28日(日)に専用サイトから応募を受け付けるとしています。
 
 2024年春のダイヤ改正では、「つばさ」の最速達列車1往復を含む3往復がE8系での運転となる予定。最高速度が300km/hに引き上げられたことで、東京~山形・新庄間で所要時間が4分短縮します。
また、「つばさ」と併結する東北新幹線「やまびこ」の車両はE2系からE5系に変更されます。