JR西日本が、京阪神都市圏の旅客運賃体系を見直すと発表しました。
「大阪環状線内」区分は廃止JR西日本は2024年5月15日、京阪神都市圏の旅客運賃体系を見直すと発表しました。
京阪神を結ぶJR西日本223系電車の「新快速」(画像:写真AC)。
同社は京阪神都市圏の運賃体系について、国鉄から継承したまま消費税改定を除いて見直されておらず、都市圏の拡大に伴う輸送サービスや利用状況と運賃水準との不一致が課題と認識してきたといいます。
そして今回、1987年の会社発足以来の輸送改善などによる利用状況の変化を踏まえ、京阪神都市圏内で同レベルの輸送サービスを提供しているエリアにおいて、運賃体系を統合し、平準化を図ることにしたと説明します。
具体的には、利用者が多く運賃を比較的安く設定している「大阪附近の電車特定区間」(以下、電車特定区間)の範囲を拡大します。
電車特定区間は現在、賃率15.30円/kmで、範囲は京都、長尾、奈良、和歌山、西明石までですが、改定後は賃率15.50円/kmとし、範囲を亀岡、堅田、野洲、城陽、松井山手、関西空港、網干、新三田まで拡大します。
その一方で、特に安い水準(賃率13.25円/km)に設定していた「大阪環状線内」の区分を廃止します。
これにより、運賃が上がる区間と下がる区間がありますが、JR西日本の運賃収入は全体としては増えない想定といいます。
初乗り運賃は、現在、大阪環状線内と電車特定区間が140円、電車特定区間の拡大対象となる「幹線」が150円ですが、改定後はいずれも150円に統一されます。
このほか例えば大阪~新三田間は現在、幹線の区分で770円ですが、改定後は電車特定区間の範囲に入り750円に値下がり。一方で大阪環状線内の大阪~天王寺間は現行210円ですが、改定後は電車特定区間に変わり240円に値上がりします。
大阪~鳳間は電車特定区間のままですが、現行480円が改定後490円に値上がりします。大阪~関西空港間は全区間が電車特定区間となり、現行1210円が改定後1180円に値下がりする見込みです。
なお、通勤・通学の定期運賃も、普通運賃にあわせて改定されます。また、「京都~芦屋」など一部の駅間には、既定の運賃水準とは別の特定運賃が新たに設定されます。
JR西日本は5月15日、今回の体系見直し後の新運賃を国土交通大臣に申請しました。これが認可された場合、新運賃は2025年4月1日発売分から適用されます。