JR東日本の豪華クルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」が、いよいよ本番を想定したプランで試運転を開始。甲府盆地に現れました。

どんな旅を楽しませてくれるのでしょうか。想像してみました。

実践的な試運転が始まった「四季島」

 2017年5月1日のデビューを予定している、JR東日本の豪華クルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島(トランスイート しきしま)」。いよいよ2016年12月より、「本番」を想定したプランで試運転を開始しました。

金色の豪華列車「四季島」、本番想定の試運転開始 きょうは「ワ...の画像はこちら >>

中央本線の塩山駅へ滑り込む「四季島」。青函トンネルも走行できる(2016年12月10日、恵 知仁撮影)。

 冬晴れの12月10日(土)。雪化粧した南アルプス、そして富士山が見守るなか、金色の車体を輝かせながら、「四季島」が甲府盆地の塩山駅(山梨県甲州市)に到着しました。

「四季島」は2017年春から秋に計画されている「1泊2日コース」で、山梨県を経由。そのコースで東京・上野駅を旅立ったのち最初に立ち寄る場所が、この塩山駅です。同駅から2台のバスに分乗して、観光を楽しみます。「四季島」の定員は34人です。

もし、上野駅から「四季島」に乗ったら――

 もし上野駅からこの1泊2日コースで「四季島」に乗り、山梨へ来たとしたら――。想像してみました。

金色の豪華列車「四季島」、本番想定の試運転開始 きょうは「ワインの里」へ

「四季島」とそのクルー。1チーム8人から9人で乗務するという(2016年12月10日、恵 知仁撮影)。

 おもてなしを受けながら、高尾駅(東京都八王子市)を通過し、一気に「都市」から「山」になる中央本線の車窓。小仏トンネルを抜けると左に相模湖が出迎え、「旅」のムードが盛り上がってきました。

 そして、いくつものカーブとトンネルを経て、「武田家終えんの郷」と掲示された甲斐大和駅を通過。甲州に来たことを実感していると、長いトンネルの先に、それをさらに実感させてくれる景色が待っていました。眼下に展開する甲府盆地、その先には南アルプスの山々も。しばらく続いた狭い谷間、暗いトンネルとは対照的な大パノラマが、目にまぶしく映ります。

 また合わせて、車窓には果樹園が登場。モモやブドウの季節にはまた違った車窓が楽しめそうだ……と考えるなか、「四季島」はその名も勝沼ぶどう郷駅を通過。

そしてほどなく、塩山駅に到着です。上野駅を9時20分ごろに発車したのち約2時間半、ここでいったん「四季島」と別れ、バスで「甲州」を楽しみに行きます。いったいそこにはどんな味、体験が待っているのでしょうか――。

山梨では、ある特産品を「できるだけ深く知ってもらう」

 想像はそのくらいにして、この塩山駅を起点とした「四季島」山梨エリアの観光は、JR東日本によると「甲州ワインをできるだけ深く知ってもらうこと」がテーマとのこと。現存する日本最古のワイナリー「まるき葡萄酒」プロデュースの一軒宿「坐忘」で甲州ワインと茶懐石、そしてワイン産業の先覚者である宮崎光太郎が自宅に整備した「宮光園」、日本を代表する老舗ワイナリーという「ルミエールワイナリー」でのワインセミナーを楽しめるそうです。行程中、山梨ワインの案内人も同行するといいます。

 この山梨県を訪れる「四季島」の「1泊2日コース」は、上野駅を旅立ったのち、まず塩山駅で下車観光し、続いて夜に長野県内の姨捨駅でも下車観光。そして車中泊から目覚めれば、福島県の会津若松です。そこで最後の下車観光をしてから、上野駅へ戻ります。

 現在、受付が行われている2017年9月から11月出発分の「1泊2日コース」、その旅行代金は32万円(スイート)から45万円(四季島スイート(メゾネットタイプ))です(2名1室の1人分、びゅうトラベルサービス取り扱い分)。それ以前の出発分は完売しています。

【写真】塩山駅に登場した「四季島」用の停目

金色の豪華列車「四季島」、本番想定の試運転開始 きょうは「ワインの里」へ

塩山駅に設けられていた「四季島」用の停止位置目標(通称「停目」)。
「四季島」はそこを先頭に停車しなさい、という意味(2016年12月10日、恵 知仁撮影)。
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