青函トンネルの先進導坑で路盤が隆起したり、トンネル内の幅が縮小するなどのゆがみが発生していることがわかりました。
50年前に掘削を開始した先進導坑JR北海道は2017年2月8日(水)、青函トンネルの先進導坑で変状が発生していると発表しました。
場所は北海道側の「吉岡先進導坑」2km70m付近です。先進導坑とは、列車が通る本坑に先駆けて地質の確認などのために掘られたトンネルであり、現在は青函トンネル内の排水や換気に使われています。
吉岡先進導坑で確認された「盤ぶくれ」や「内空断面縮小」(画像出典:JR北海道)。先進導坑の掘削開始は、北海道側が1967(昭和42)年3月、本州側が1970(昭和45)年1月でした。先進導坑の貫通は1983(昭和58)1月、そして本坑など全体が完成し津軽海峡線が開業したのは1988(昭和63)年3月です。
ゆがみの背景と今後の対策は生じているゆがみは、具体的にはトンネル内の路盤が隆起する「盤ぶくれ」(最大52mm)や、内空断面(トンネル内の幅)の縮小(最大47mm)です。

JR北海道によると、通常、トンネル周辺の地盤が強固であればトンネルに大きな力は作用しませんが、弱い地盤だと大きな力が作用し、盤ぶくれや内空断面の縮小などが生じるとのこと。ちなみに今回の箇所の盤ぶくれは2014年に確認されたといいます。
これらのゆがみに対しては、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)とJR北海道による検討の結果、ロックボルトによる対策工事が行われる予定です。

なお、同じ箇所付近ではコンクリートの剥落も確認されています。
