黒くラッピングされた姿で試運転をしていたJR西日本の豪華クルーズトレイン「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」が、ついに名寝台特急の伝統を受け継いだという“真の姿”を披露しました。なぜこれまで姿を隠していたのでしょうか。
JR西日本が2017年2月23日(木)午前、大阪市淀川区の網干総合車両所宮原支所で、6月17日(土)に運転開始予定の豪華クルーズトレイン「TWILIGHT EXPRESS 瑞風(トワイライトエクスプレスみずかぜ)」の車両完成記念式典を実施。同列車の“真の姿”を、ついに明らかにしました。
黒いベールを脱ぎ、「瑞風グリーン」の車体を現した「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」(2017年2月23日、恵 知仁撮影)。「瑞風」の車両(87系寝台気動車)自体は2016年に姿を現し、すでに西日本各地を試運転で走っています。しかし黒くラッピングされた状態で、その下にある、かつて日本を代表する列車のひとつだった寝台特急「トワイライトエクスプレス」から受け継いだという「緑色(瑞風グリーン)」は、今日まで文字通り“ベール”に包まれていました。
大阪~札幌間を結んだ寝台特急「トワイライトエクスプレス」は1989(平成元)年、「ブルートレイン」という言葉が示すように「寝台特急」イコール「青」という印象があるなか、それとは異なる緑色の車体で登場。2015年3月に運行を終えるまでの約26年間で、およそ116万人が乗車しました。
JR西日本によると「瑞風」の外観は、その「トワイライトエクスプレス」の伝統を受け継ぎつつ、さらに上質さを演出した「瑞風グリーン」に金色のエンブレムとラインを配したといいます。
「瑞風」、なぜ「真の姿」隠していた? 同様の例もこれまで「瑞風」が黒くラッピングされ、“真の姿”が見えない状態になっていた理由についてJR西日本は、試運転などの際に傷がつかないようにするため、また期待感を高めたいという思いもあるとしています。

日本における豪華クルーズトレインの嚆矢(こうし)ともいえる、2013年10月にデビューしたJR九州の「ななつ星in九州」も、同様に黒くラッピングされた状態で試運転を行っていました。対し2017年5月1日(月)に運転開始予定であるJR東日本の豪華クルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」(トランスイートしきしま)は、ゴールドに輝くその車体のまま試運転を行っています。
2017年6月17日(土)に運転を開始する予定の「瑞風」は、「美しい日本をホテルが走る」がコンセプト。大阪駅、京都駅と山口県の下関駅のあいだを山陽、山陰経由で沿線に立ち寄りながら運行されます。第1期募集分の旅行代金は1人27万円から125万円で、予約倍率は平均5.5倍、最高68倍でした。
【写真】かつての名列車、寝台特急「トワイライトエクスプレス」
