東京メトロの駅ホームに、かつて設置されていた冷水機。2017年7月現在、見かけなくなって久しいですが、現状はどうなっているのでしょうか。
東京メトロが2018年5月までに、駅構内に設置された蛇口タイプの水飲み場を全廃するとのことです(他社管理分をのぞく)。ミネラルウォーターなどの飲料水を購入する層の増加にともないニーズが減少したためで、2017年7月現在、東京メトロ全体で10か所にまで減っていました。
駅構内の水飲み場といえば、いわゆる「冷水機」タイプも連想されますが、こちらも最近あまり見かけません。東京メトロに確認したところ、「蛇口タイプの水飲み場に先がけ、2014年度に全廃しました」といいます。詳しく話を聞きました。
1966年、銀座駅に初めて冷水機が設置された際の様子(画像:東京メトロ)。
――冷水機の撤去はいつごろから進めていたのでしょうか?
2010(平成22)年ごろです。新規の設置に関しては、副都心線の建設時(開業は2008〈平成20〉年6月14日)には、すでに取り止められていたようです。なお、蛇口タイプの水飲み場の撤去は2015年ごろからの開始となりました。
――冷水機はなぜ全廃となったのでしょうか?
おもな理由は蛇口タイプの水飲み場と同様、飲料水を購入する利用客が増え、ニーズが減少したためです。全廃するころには、ほぼ使われていない状況でした。
――なぜ蛇口タイプより先に撤去が始まったのでしょうか?
冷水機と蛇口タイプの水飲み場の所管部署が異なっているため、特に意味はありません。
――東京メトロに冷水機が初めて設置されたのはいつごろでしょうか?
1966(昭和41)年6月で、足元にあるペダルを踏むと水が噴き出す「プレッシャー形」と呼ばれる冷水機を、17駅に計20台、旅客サービスの一環として設置しました。設置当時の社内報を見ると、「暑さに向かうおりから利用客になかなかの好評を博している」と書いてあります。
――冷水機が撤去された場所は現在、どのようになっているのでしょうか?
お客様の移動に支障がないよう原状回復を行い、通常のホームの一部となっています。
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冷水機を撤去したことで、薬を飲むときに不便を感じるといった駅利用者の声も寄せられているそうです。これに対し東京メトロは、「駅事務所にお声がけいただければ、服用のお水をご提供しております」としています。
【表】1966年の冷水機設置当初の駅名一覧

足元にあるペダルを踏むと水が噴き出す「プレッシャー形」と呼ばれる冷水機が、17駅に計20台設置された(乗りものニュース編集部作成)。