飛行機のことを「機材」といったり、「機体」といったりすることがあります。どのような使いわけがあるのでしょうか。
空港などでは、運航する「機材」の変更などが案内されることがあります。あるいは、その路線で運航する飛行機のことも「機材」といわれます。
飛行機は「機材」か「機体」か。写真はイメージ(画像:photolibrary)。
小学館の『デジタル大辞泉』では、「機材」の意味は「1 機械と材料。
「機材」と「機体」はどのように使い分けられているのでしょうか、ANA(全日空)に聞きました。
――「機材」と「機体」はどのように使い分けているのでしょうか?
「機体」は飛行機そのものを指す大きな概念として使っています。「機材」は、それよりも意味合いが狭まります。
――「機体」はどのような用例がありますでしょうか?
たとえば飛行機には1機1機、「機体番号(識別記号)」が付与されていますが、このように飛行機そのものの個体を指すような場合にも使います。「機体のメンテナンス」とはいいますが、「機材のメンテナンス」とはいいません。
「機材」はどう使う? 「機種」を使うことも――「機材」はどのような用例がありますでしょうか?
営業、運航するための「資材」を指す言葉です。「シート数が250席以上の機材」「シカゴ線に就航する機材」などという場合に使います。
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ANAによると、厳密な決まりは特にないものの、何を指すのか、何を説明したいのかを意識し、文脈に応じてそれぞれの言葉を使い分けているといいます。
飛行機のメーカー側では、どのように使い分けているのでしょうか。エアバス・ジャパンの担当者は、「特に決まりはないので、あくまで個人的な認識ですが」としたうえで、次のように話します。
「『機材』は航空会社さんの立場で使う言葉で、メーカーではおもに『機体』を使い、『この機体の特徴は……』というように説明します。たとえば『A350と比べて……』というように、ほかの飛行機と比較したり区別したりする場合には、『機種』を使うこともあります」(エアバス・ジャパン)
「機材」「機体」だけでなく「機種」も含めた3つの言葉の使い分けは、立場によっても、文脈によっても異なってくるようです。
飛行機には国から交付された機体番号(識別記号)が表示されている(国土交通省の資料をもとに乗りものニュース編集部作成)。