車両の通行を感知し、青、黄、赤の表示サイクルが変化する「感応式」と呼ばれる信号機があります。なかには「半感応式」と呼ばれるものも。

通常の信号とどのように違うのでしょうか。

「感応式信号」と表示された信号機を見かけることがあります。青、黄、赤の表示サイクルが一定ではなく、交差点に差し掛かる車両に応じて変わるというものです。

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「感応式信号」と表示された信号機のイメージ。感応式であっても表示がない場合もある(画像:photolibrary)。

 一方、「半感応式」という信号機もあります。「感応式」とどう違うののでしょうか。交通管理に関する技術の研究開発を行う公益法人、日本交通管理技術協会(東京都新宿区)に聞きました。

——「感応式」「半感応式」信号機は、それぞれどのようなものなのでしょうか?

 感応式は、交差点の全方面にセンサーがついており、「どの方向にどれくらいクルマが流れているか」を感知し、一定範囲のなかで青が表示される割合を調整しています。その交差点だけで調整しているものを「全感応式」といいますが、数はそれほど多くありません。一方で、一定区間の路線全体で、車両の流れを感知しながら各信号のパターンを調整しているケースもあり、これを含めればかなりの割合の信号が感応式であるともいえます。

 対して半感応式は、たとえば交通量の多い「主道路」と、少ない「従道路」が交わる交差点で、従道路側にのみ車両を感知するセンサーがついています。

必要がない限り主道路の交通流を止めないようにするもので、主道路を横断するための歩行者用押しボタン式信号が併設されていることもあります。従道路側は、車両が感知されたりボタンが押されたりすればやがて青になりますが、必ずしもすぐに変わるわけではありません。

車両を感知する仕組みとは?

——どのような仕組みで車両を感知しているのでしょうか?

 多く場合、交差点付近の上空に設置された円錐形のセンサーから超音波を下に向けて発し、それが跳ね返ってくる時間を測っています。センサーの下にクルマがあれば時間が短くなり、これによって車両を感知しているのです。この方式では多くの場合、1車線分しか車両を感知できないので、車線が複数あるところではカメラの撮影映像で車両を検知していることもあります。

——どのような位置で停止していれば、超音波センサーに感知されるのでしょうか?

 厳密には超音波センサーが出る範囲の直径について規格があるのですが、おおむね、道路交通法でいうところの停止線で止まっていれば感知されます。停止線に到達していなかったり、車体全体が越えてしまったりした場合は、感知されないこともあるでしょう。

——二輪車や自転車も感知できるのでしょうか?

 感知されにくいケースが多いでしょう。まれに二輪用の押しボタンが設けられていることもありますが、多くの場合は歩行者用と兼用になっています。車両用信号のほうで車両が感知されると、歩行者用押しボタンも連動する場合もあります。

※ ※ ※

 場所によっては「感応式信号」「半感応式信号」などと補助看板が付けられているほか、クルマを感知すると「感知中」などと表示されることもあります。しかし、日本交通管理技術協会によると、これらの表示義務などは定められていないとのこと。

いわば「サービス」だといい、都道府県によっても方針が異なるそうです。

 ちなみに、日本交通管理技術協会によると、超音波センサーはおもに車両が「来たこと」を感知しますが、一部例外もあるとのこと。「右折の矢印信号の表示時間を、車列の長さに応じて調整していることがありますが、この場合は、車列が途切れたことを超音波で感知し、矢印を消しているケースがあります」と話します。

【写真】道路上空にある車両感知器

「感応式」信号、何をどう感知? そもそもどういう仕組みで青になるのか

超音波式感知器の一種。大きな通りに交わる細い路地に設置されているもの(2018年2月、中島洋平撮影)。

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