外環道の三郷南IC~高谷JCT間(千葉区間)が2018年6月に開通する予定ですが、これに先立ち外環道と常磐道、首都高6号三郷線が接続する三郷JCTで改良工事が行われています。千葉区間の開通も見越したものといいますが、どのような目的があるのでしょうか。

常磐道上り線から外環道への分岐部で車線運用変更

 外環道の三郷南ICから南、首都高湾岸線と東関東道に接続する高谷JCT間までの区間(以下、「千葉区間」)が、2018年6月2日(土)に開通る予定です。それに先立ち現在、外環道と常磐道、首都高6号三郷線が接続する三郷JCTの改良が進んでいます。

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外環道と常磐道、首都高6号三郷線が接続する三郷JCT。奥が外環道の大泉方面(画像:NEXCO東日本)。

 まず3月15日(木)、常磐道上り線から外環道への分岐が、1車線から2車線運用へと変更されました。そして4月11日(水)には、外環道の外回りから常磐道下り線へ通じる専用ランプ(第一ランプ)も開通します。

これまでのランプ(第二ランプ)では、外環道から分かれると左側に三郷入口からの走路が合流し、さらにその先で常磐道と首都高6号線への走路が二股に分かれる構造でしたが、この従来のランプはそのままに、並行して新しいランプを新設する形です。相次ぐ改良の背景をNEXCO東日本関東支社に聞きました。

――三郷JCTの改良は、外環道の千葉区間開通を控えてのことなのでしょうか?

 それも見越してはいますが、既存箇所における渋滞対策、安全対策の一環として実施するものです。外環道の千葉区間は「2017年度内」から開通予定が若干繰り下がりましたので、本来であれば千葉区間の開通が先だった可能性もあります。

三郷JCT、相次ぐ改良の理由 外環道「千葉区間」開通も間近、クルマの流れどう変わる

常磐道上り線、外環道分岐部における車線運用変更の概要(画像:NEXCO東日本)。

――常磐道上り線から外環道へ分岐する箇所で車線運用を変更したのは、どのような目的があるのでしょうか?

 分岐にともなう交通流の交錯を抑える目的があります。

従来の構造では、常磐道から外環道へ向かうには、常磐道の三郷料金所を過ぎてから分岐までのあいだに、最も左の第一走行車線へ寄っている必要がありました。車線運用を変更し、分岐付近で第二走行路を直進(首都高6号線へ)と左折(外環道へ)の双方に対応させ、本線2車線、分岐路2車線とすることで安全性を高めています。

「外環道→常磐道」の専用ランプ新設 その目的は

――外環道外回りから常磐道下り線への専用ランプ(第一ランプ)を新設するのは、どのような目的があるのでしょうか?

 こちらも、従来のランプ(第二ランプ)における交通流の交錯と、サグ(下り坂から上り坂に変わる箇所)で発生している渋滞を解消する目的があります。現状では、外環道外回りから常磐道へ向かう場合、ランプ内で左に車線変更しなければなりません(直進すると首都高へ向かうようになっている)。加えてその先にサグがあり、これが渋滞を引き起こす原因となっています。外環道から常磐道へ向かう専用の第一ランプを整備することで、このぶんの交通が従来のランプから分離されます。

また、新設する第一ランプはサグもなく平坦ですので、従来のランプと比べて走行性も向上します。

三郷JCT、相次ぐ改良の理由 外環道「千葉区間」開通も間近、クルマの流れどう変わる

外環道外回りから常磐道下り線に通じる専用ランプ(第一ランプ)の整備概要(画像:NEXCO東日本)。

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 NEXCO東日本は外環道千葉区間の整備効果として、湾岸線から常磐道まで(高谷JCTから三郷JCTまで)の所要時間が43分から17分に短縮するとしています。外環道を管轄するNEXCO東日本関東支社によると、これにともない外環道の交通量が増えるほか、常磐道から首都高6号線へ向かっていたクルマの一部が外環道へと移行することも想定されるといいます。

 ちなみに、外環道千葉区間の開通にあたり、京葉JCTで接続する京葉道路の市川IC周辺でも、部分的な改変が行われています。3月21日(水・祝)には、市川ICの上り線出口が千葉寄りに300m移設されました。

今後、下り線入口の位置変更なども行われるほか、外環道の工事用地を確保するため2012年に閉鎖された旧鬼高PAの用地を利用する形で、京葉市川PAが4月24日(火)にオープンします。