複雑な首都高、走行に苦手意識を感じる人もいます。そこで、首都高自らが初心者向けに実施している「首都高ドライブ講座」の講師に、首都高を走るコツを聞きました。

「右から合流」も基本的には「左から」と同じ

 首都高を走るのが苦手、という声があるようです。そうした意識を持つ若年層に向け、首都高速道路では2016年から、講師による指導のもと首都高を実走する「首都高ドライブ講座」を不定期に開催しています。

首都高は怖くない! 先生に聞く走り方「5つのポイント」 短い...の画像はこちら >>

1号羽田線がC1に合流する浜崎橋JCT(2018年3月、中島洋平撮影)。

 実際、どのような点に気を付けて首都高を走ればよいのでしょうか。ドライブ講座の講師を務めるペーパードライバースクール(横浜市鶴見区)の関 主税(ちから)さんに、首都高を走行するうえでの注意ポイントを聞きました。

短い合流車線も 止まらず走るには?

 神田橋JCTの八重洲線からC1都心環状線内回りへの合流など、ランプから本線へ合流する車線が短いところが少なくありません。こうした合流で大切なのは、事前にしっかりとスピードを上げて、本線を走るクルマとの速度差をなくすことです。入りたいスペースを見つけ、その前を走るクルマの“お尻”と、自車の“頭”の位置を合わせ、スピードをキープすれば自ずと入れますよ。

慣れるしかない!? 「右から合流」

 通常、高速道路では通行方向の左側から合流しますが、首都高では「右から」となっているJCTや入口もあります。しかしながら、基本的には左からの場合と変わらず、サイドミラーを見て、さらに目視で後方車の位置を確認して合流する点も同じです。これは何度も首都高を走るなどして、慣れることが一番です。

カーブ連続、車線のど真ん中にいきなり橋脚!

 C1の一部など、首都高では川を埋め立てて建設された区間があり、そうした場所では緩やかなカーブやアップダウンが連続します。

なかでもC1銀座付近では、道路橋の橋脚が首都高の車線のど真ん中に立っています。その場所がかつて川だったことの名残です。前車の流れについて行き、カーブは基本的にインコースへ寄っていくようにしましょう。

路線構造にある特徴 事前の調べが大切

 首都高では「合流」もさることながら、「分岐」への備えも大切だそうです。

JCT手前の車線移動、渋滞中にどうやって?

 C2中央環状線の堀切JCTと小菅JCT、板橋JCTと熊野町JCTなど、首都高では短い区間で分岐が連続する箇所があり、混雑ポイントのひとつにもなっています。JCTとJCTのあいだなどにおける車線移動を最小限に抑えるよう、分岐の手前で目的の方向寄りの車線へ早めに移動しておくことが大切です。

 車線移動は、スピードが出ているとサイドミラーに映るクルマの流れも速く、確認などの作業を大変に思うかもしれませんが、しっかりと隣の車線を確認し、恐れず意思をもって車線変更しましょう。

複雑な路線構造、そもそもどの路線を走れば?

 首都高を利用するうえで、路線構造の予備知識としてまず覚えておくとよいことがあります。首都高はC1ないしその近傍より放射状の道路が延びており、1号羽田線から地図上でおおよそ時計回りに11号線まで路線番号が付けられているということです(編集部注:8号線は距離が短すぎるため案内されていない)。これら放射道路の多くは、C1のさらに外側の環状道路であるC2、あるいは湾岸線と接続しているので、都心から郊外へ向かう際に道を間違えても、C2や湾岸線を経由して軌道修正が可能です。

 ただし、2号目黒線のようにC2と接続していなかったり、10号晴海線のようにC1とつながっていなかったりする路線もあります。事前に首都高のドライブマップなどを確認し、どの道、どのJCTを使うべきかをシミュレーションしてから本番に臨みましょう。

首都高は怖くない! 先生に聞く走り方「5つのポイント」 短い合流車線、右から合流…

「首都高ドライブ講座」の様子。教習車に講師も乗り込み、参加者が一般道や首都高を走行する(画像:首都高速道路)。

※ ※ ※

 2019年の「首都高ドライブ講座」は、10月13日(日)と11月17日(日)に開催。補助ブレーキのついた教習車で参加者が実際にハンドルを握り、助手席に講師がつきます。参加費は無料で、応募者多数の場合は抽選です。

編集部おすすめ