日本一長い名前の高速道路ICは、中間に「・」で区切りが入るほど長いものです。ICの名称は、地名以外の複合的な要素で構成されるものもあるなど、近年ますます長くなってきています。
高速道路のICは、たとえば中央道の国立府中ICや、東北道の佐野藤岡ICのように、「〇〇●●」とふたつ以上の地名をつないだ名称が見られます。こうした名付け方は鉄道の駅名などにも見られるもので、高速道路ICでは1960年代から登場しています。
そしてIC名は近年、かつてに比べますます長くなっています。たとえば青森県の第二みちのく有料道路 三沢十和田下田IC(青森県おいらせ町)のように、三沢と十和田、下田と3つの地名をつないだものもあります。
このほか、同じ青森県の八戸久慈道 種差海岸階上岳(たねさしかいがんはしかみだけ)IC(青森県階上町)のように、観光地と観光地の名称が組み合わされたり、北海道の深川留萌道 北竜ひまわりIC(北海道北竜町。ヒマワリの作付面積で日本一)のように、地名以外の要素が使われたりもします。
飯田上久堅・喬木富田ICの案内標識(画像:長野県)。
そうしたなか2020年現在、「日本一長い」とされるIC名は三遠南信道の「飯田上久堅・喬木富田IC」(長野県飯田市)です。「いいだかみひさかた・たかぎとみだ」と読み、「・」を含め10文字、読み仮名は「・」を除き15文字です。
「スマート」まで入れると日本一は入れ替わる長野県飯田市内には中央道の飯田ICのほか、三遠南信道の起点でもある飯田山本ICなどがあります。また飯田市に隣接する喬木村にも、三遠南信道の喬木ICがすでに開通していました。
そうしたなか、飯田上久堅・喬木富田ICが2018年3月、飯田市内に開通します。
「たとえば、『上久堅喬木IC』でも、飯田市と喬木村の地名が混同されてしまいます。飯田市と喬木村双方の『自治体名+字名』と表記を揃え、『・』でつなぐことで、わかりやすくしました」(飯田国道事務所)
なお、三遠南信道の飯田上久堅・喬木富田IC~喬木IC間は2020年4月現在、未開通です。
飯田上久堅・喬木富田ICの開通以前は、2001(平成13)年に開通した東九州道 大分農業文化公園IC(大分県宇佐市)の8文字が、日本一長いとされていました。なお、高速道路の路線図などでETC専用のスマートICは、「〇〇スマート」と表記されることがありますが、この「スマート」まで含めた場合、2016(平成28)年に開通した東名高速の大井川焼津藤枝スマートIC(静岡県焼津市)が11文字になり、飯田上久堅・喬木富田ICを上回ります。また、一般的に「IC」と呼称されませんが、都市高速道路の出入口を含めると、阪神高速2号淀川左岸線のユニバーサルシティ出口が、表記で9文字です。
ちなみに日本一短いIC名は、こうした話題ではおなじみでもある三重県の伊勢道 津ICです。また飯田上久堅・喬木富田ICのように「・」で区切られたIC名はほかに、伊豆縦貫道の大場・函南(だいば・かんなみ)IC(静岡県三島市)もあります。