天武天皇が病気平癒を祈願し建立した奈良の薬師寺。その本尊「薬師三尊」が、東海道新幹線の品川駅へ、巨大パネルになって現れました。

新型コロナウイルスの克服を願ったもので、薬師寺の加藤管主も読経、メッセージを寄せいています。

天武天皇が病気平癒を祈願し建立した薬師寺 新型コロナ克服願い

 現在から1340年前、白鳳時代(飛鳥時代)の680年、天武天皇が皇后(のちの持統天皇)の病気平癒を祈願し、薬師寺の建立を発願しました。

 奈良県にあるこの薬師寺で創建当初から祀られている「薬師三尊」が2020年6月16日(火)、東海道新幹線の品川駅(改札内東京駅側)へ、高さ4.6m、横幅8.2mにもなる巨大なパネルになって現れました。

響く読経の声 東海道新幹線品川駅に巨大な奈良・薬師寺の「薬師...の画像はこちら >>

東海道新幹線品川駅に現れた巨大な「薬師三尊」(2020年6月13日、恵 知仁撮影)。

「薬師三尊」は身心の健康を護る仏で、中央に薬師如来、右に日光菩薩、左に月光菩薩が並びます。

 JR東海によると、「新型コロナウイルスを克服し、穏やかな日常を取り戻す――。遠く奈良・薬師寺の薬師如来にこうした願いを届けたい」という思いから、設置したといいます。

 またこの日、薬師寺の管主である加藤朝胤さんは品川駅の巨大パネル前で「天武天皇は皇后だけでなく、国民の幸せ、健康、泰平を願って、薬師寺を建てられたのだと思います。祈りをささげたから治るわけではありませんが、ひとりひとりの願いを未来につなげていきたいです」と話し、読経しました。薬師寺では毎朝5時からお祈りをしているそうです。

「楽身」が訛って「らくちん」に 薬師寺管主からのメッセージ

 今回の東海道新幹線品川駅への「薬師三尊」巨大パネル設置にあたって、薬師寺管主の加藤朝胤さんは、次のメッセージを寄せています。

響く読経の声 東海道新幹線品川駅に巨大な奈良・薬師寺の「薬師三尊」現れる

薬師寺の加藤朝胤管主(2020年6月13日、恵 知仁撮影)。

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 お薬師様の功徳が記された『薬師経』に「身心安楽」という教えが説かれています。肉体的に不安がない事を「楽身」と言い、心に不安がない事を「安心」と言います。「楽身(らくしん)」が訛って「らくちん」となりました。身も心も不安のない事が幸せを戴く全てです。私たちの病苦をお救い下さり法薬を与える佛様がお薬師様です。

 病気の治療は、拝んだだけで治癒することはありません。正しい治療と正しい信仰が必要です。神佛に祈ることにより目に見えないご加護を頂き、敬虔で素直な信仰心が養われます。とても大切な祈りの心です。そこから喜びと感謝と敬いの心が養われることで病が治癒すると考えています。

 類を見ない厄難の病魔退散 速疾終息を願って日々の勤行にお薬師様にお祈りいたしております。

 神佛のご加護のもと皆様と共にこの難局を乗り越え更に、ご自愛頂きます事をご祈念申し上げます。

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