JR旅客6社の長距離を走る普通列車を調査。1位は近畿、2位は関東を走り抜ける列車でした。
普通列車は、その大半が比較的近距離の区間を行ったり来たりしています。しかし全国を見渡すと近距離の枠に収まらない、長い距離を走る普通列車もあります。ここではJR旅客6社から、2020年8月現在の長距離を走る定期普通列車(快速・新快速・特別快速を含む。環状運転は除く)を紹介します。
京阪神を結ぶJR西日本の新快速223系2000番台(画像:photolibrary)。
長距離1位は敦賀17時49分発、播州赤穂21時55分着の3327M~3527Mです。北陸本線・東海道本線・山陽本線・赤穂線を新快速として走ります。距離は275.5kmです。土休日の3207M~3407Mの新快速も敦賀5時35分発、播州赤穂9時42分着で同じ区間を走ります。どちらも途中の米原で列車番号が変わりますが、実態としては1本の列車です。
2位は熱海18時52分発、黒磯23時39分着の1644Eです。東海道本線と東北本線(上野東京ライン)を経由し、走行距離は268.1kmに及びます。土休日にはこの反対方向である黒磯6時52分発、熱海11時28分着の1545E列車も設定されています。
最長「所要時間」の普通列車は3位は、旭川6時03分発、稚内12時08分着の321D~4323D~4325Dです。宗谷本線の全区間である259.4kmを走破します。途中の名寄と幌延で列車番号が変わりますが、乗り換えなしの1本の列車として運転されます。所要時間は6時間5分ですが、特急「宗谷」は同じ区間を3時間40分で走破します。
ここまで距離に注目してきましたが、所要時間だと飯田線・中央本線を走る531Mが6時間55分で首位です。豊橋14時42分発、岡谷21時37分着で205.2kmを走ります。飯田線はほかにも544M(上諏訪~豊橋間213.7km、6時間54分)や519M(豊橋~岡谷間、6時間51分)など、比較的長距離・長時間の普通列車が運行されています。
ちなみに、かつて“最長鈍行”として知られていた根室本線の2427D(滝川~釧路間308.4km)は、2016年8月の台風被害による区間運休を経て、現在は滝川~東鹿越間(94.8km)の2475Dと新得~釧路間(172.1km)の2427Dに分断されています。富良野から新得まで代行バスを利用すると両列車の乗り継ぎが可能です。