2025年上半期(1-6月)「負債1,000万円未満」倒産状況
2025年上半期の負債1,000万円未満の倒産は250件(前年同期比4.2%減)で、3年ぶりに前年同期を下回った。上半期では、2月と6月を除く4カ月で前年同月を下回ったものの、2年連続で250件以上となった。
物価高や金利上昇など資金負担が増すなかで、小規模企業を取り巻く環境は厳しい状況が続く。
産業別では、10産業のうち、増加が農・林・漁・鉱業、建設業、製造業、卸売業、不動産業の5産業、減少が小売業、運輸業、情報通信業、サービス業他の4産業だった。金融・保険業は前年同期と同件数の2件だった。
2025年上半期のドル/円相場をみると、年始1月の150円台後半から6月時点で140円台前半と円高・ドル安が進んだ。ただ、依然として円安水準にあることは変わりなく、原材料やエネルギー価格の高騰が経営を圧迫する状況は続いている。
また、小・零細企業は、金融機関からの借入依存度が高い企業も多い。貸出金利の引き上げが続くなかで、金利負担の増加で資金繰りに影響が出る企業も多い。収益力向上への施策が打てず、事業再生に足踏みをしている企業には金融機関からの寄り添った支援も必要になるだろう。
※本調査は、2025年1-6月に全国で発生した企業倒産(法的、私的)のうち、企業倒産集計(負債1,000万円以上)に含まれない負債1,000万円未満の倒産を集計、分析した。