9月20日、折角の沖縄家族旅行!10分でも良いから沖縄っぽい釣りがしたい!という釣りキチがパックロッドを忍ばせた結果やいかに…。

(アイキャッチ画像提供:WEBライター・山根央之)

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夫婦で沖縄へダイビング旅行

夫婦揃ってダイビング好きな我が家では、長期休みは決まってダイビング旅行に出かけている。コロナにより予定していたインドネシアへの旅行が中止となってしまい、今回は沖縄県の石垣・西表島を目的地とした。

旅行先で禁断症状が発症

1mを超えるバラクーダの群れに取り囲まれる。これもまた幸せだ。

沖縄の渓流で『オオクチユゴイ』を狙う 強い警戒心の攻略法とは?
バラクーダの群れ(提供:WEBライター・山根央之)

僕の奥さんはもっぱらダイビングマニア。僕は彼女の影響でダイビングを始め、今ではすっかりのめり込んでいるのだが、せっかく遠方に出かけるのだからムズムズとした“釣りもしたいという禁断症状”がどうしても出てしまう。

パックロッドを紛れ込ます

フィンやマスクと言ったダイビング軽機材を盾にしてパックロッドをスーツケースに忍ばせるのが僕の常とう手段だ。もちろん、奥さんには正直に釣り具も入れたことは話している。何事も隠し事は良くない。夫婦共々気持ちよく旅行に出発することが現地で1分でも長く釣りを楽しむための秘訣だ。

沖縄でも渓流釣りは楽しめる

今回、西表島で僕がどうしても体験してみたかった釣りは、南国の「渓流釣り」だ。サンゴ礁の海釣りばかり注目されるが、実は沖縄にも素晴らしい渓流が沢山あるのだ。

渓流魚と言えば、イワナやヤマメと言ったマスの仲間を連想するが、沖縄にはこういったトラウトの仲間は生息していない。

『オオクチユゴイ』とは

沖縄の渓流釣りの対象魚となるのは、40cm前後にまで成長するオオクチユゴイというスズキ目の魚だ。オオクチユゴイは熱帯地域に広く分布し、オーストラリアでは「ジャングルパーチ」と呼ばれ、スポーツフィッシングの対象魚として認知されている。因みに、沖縄では「ミキユー」と呼ばれている。

沖縄の渓流で『オオクチユゴイ』を狙う 強い警戒心の攻略法とは?
オオクチユゴイ(提供:WEBライター・山根央之)

オオクチユゴイは強い肉食性を示す魚で、とにかくルアーへの反応が良い魚だ。その獰猛な性格の反面、渓流という狭い環境に生息するため警戒心が取り分け高い。

いうならば「イワナの3倍」といったところだ。人の影を見たらまず口を使ってくれない。

ポイント&タックル選び

オオクチユゴイを狙う場合、堰やダムがない川を選ぶ。オオクチユゴイは繁殖に海や汽水域を使用する降河回遊性魚類であるため、ちょっとした堰やダムがあるとそれより上流には生息できない。西表島には砂防堰を含めて人工物が極めて少なく、ヤマメはおろかイワナしか釣れないような源流域にまでオオクチユゴイが遡上してくるという。

タックルは、渓流用をそのまま流用。今回スーツケースに忍ばせたのは渓流釣り用のパックロッドだ。仕舞寸法は40cm、4本のピースを継ぐことで150cm程度の長さの竿になる。

2000番のリールにPEライン0.8号を巻き、リーダーはフロロカーボンラインの16lbを使用した。ルアーは6cm前後のポッパーやペンシルベイトなど水面を泳ぐルアーを中心にスピナーやシンキングミノーなどの使い慣れた渓流用ルアーも少しずつ用意した。

「沖縄らしい」渓流で実釣

目星をつけた渓流へ。植物相から南国らしさが伝わってくる。

沖縄の渓流で『オオクチユゴイ』を狙う 強い警戒心の攻略法とは?
向かって左側の木がアダン(提供:WEBライター・山根央之)

夫婦でダイビングを満喫し、1時間あれば十分釣れるから…と自信満々に借りていたレンタカーを走らせ、目星をつけていた川に向かった。ダイビング直後は体内に溜まった窒素を抜いてからでないと飛行機に乗れないのだ。

僕にとっては、とてもありがたい時間だ。

1投目でヒット!入れ食いか…?

海から僅か数百メートルの地点から入渓した。初めての川はいつだってワクワクするものだ。沖縄らしいストラクチャーであるアダンの際にルアーを投げ込むと着水と同時に水面が割れた!鋭い引きを竿で受け止め、上がってきたのは綺麗なオオクチユゴイだ。思わず「やったー!」と声が出る。

目の前には釣られたオオクチユゴイに群がるように沢山の魚がついてきていた。これは入れ食いかと思いきや…。

沖縄の渓流で『オオクチユゴイ』を狙う 強い警戒心の攻略法とは?
ペンシルベイトにアタックしてきたオオクチユゴイ(提供:WEBライター・山根央之)

オオクチユゴイは警戒心が強い。数匹釣ると極端に釣れなくなってしまう。

続いてアダンより奥の流れ込みへルアーを投げ込むと、これまた着水後ワンアクションでバシャン!とオオクチユゴイがルアーへアタックした!まさにパラダイスとはこのことだろう。

3投連続ヒット確実だろうと思い投げ込んだものの、嘘みたいにオオクチユゴイからの反応がなくなってしまった。ルアーをミノーやスピナーにかえても駄目だった。

数釣りを楽しむ

獰猛な性格と極端な警戒心を自分の目で見ることができた。

まだまだ、入渓地点なのでどんどん川を上がってみることに。この後の釣果は書くまでもない。ルアーを投げ込めば3アクション以内にバイトがあり、1~3尾も釣れば沈黙する。これの繰り返しだ。とにかく、人の存在に気づいていないオオクチユゴイを狙うことが、この釣りのコツと言えるだろう。

気が付けば「これぞ源流」と言った巨石群まで釣り上がってきた。

沖縄の渓流で『オオクチユゴイ』を狙う 強い警戒心の攻略法とは?
次は魚止めまで上がってみたいものだ(提供:WEBライター・山根央之)

驚くことに、この巨石の上でも、小さいながらオオクチユゴイの釣果を得ることができた。彼らの遡上能力は、僕の想像より遥かに高そうだ。

1時間と言いながら1時間半も楽しんでしまった。魚止めまで行ってみたかったがそれはまたの機会。美しいオオクチユゴイ15尾の釣果に満足し納竿とした。

<山根央之/TSURINEWS・WEBライター>

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