冬~春が旬の「ヤリイカ」は船釣りの人気ターゲットだ。今回は初心者に向けて、タックル~釣り方の基本まで徹底解説しよう。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版編集部)

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ヤリイカの生態

ヤリイカはツツイカ目ヤリイカ科に属し、スマートな体型。胴の上部にある、縦長なひし形のヒレが胴体の3分の2ほどを占め「ヒレの先端が槍に似ている」と漁師の間で呼ばれたことから、この名が付いた。

【関東2021】旬を迎えた『ヤリイカ』船釣りの超基本 タックル~釣り方
良型が掛かれば気分は上々(提供:週刊つりニュース関東版 編集部)

小型がメス、大型がオスで、通常は水深80~200mの中深場の岩礁が混じる砂地を好む。底から10mくらいが棲息圏で、小魚などを捕食している。産卵期は冬から早春。関東地方では初冬から晩春が、乗合船のポピュラーなターゲットになっている。

船ヤリイカ釣りのタックル

次にヤリイカ釣りのタックルを紹介しよう。

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タックル例(作図:週刊つりニュース関東版 編集部)

竿

各メーカーから専用が市販されている。終日シャクリ続けるので、軽く、手にしっくりとなじむものを選びたい。

リール&ミチイト

乗っ込み期を除くと、多くの場合はヤリイカのタナは水深100mより深い。この時期には、200m前後のディープゾーンを探ることも。したがって、ミチイトはPEライン3~4号が300mほど巻け、できるだけ軽量でコンパクトな中~小型電動リールがいい。

ロッドホルダー

空巻き上げ時や、船の移動時に竿を固定して置くために必携。

プラヅノ

この時期のヤリは、細身でシンプルな棒ヅノで、長さ11cmのシングルカンナが定番。カラーはケイムラ、薄いブルー、ピンクの3色をベースとする。これに濃いブルー、黄緑、オレンジを加えて、バラエティに富んだ構成にする。下から2、3番目をアピールヅノとして、マルイカ用の赤帽7cmのウキスッテを接続すると、思わぬ効果を発揮することがある。

仕掛け

枝スを介してミキイトに結ぶブランコ仕掛けが一般的だが、ツノの両端をミキイトに結び、一直線になる直結仕掛けもある。後者はサバに邪魔されにくいというメリットはあるが、ソフトなシャクリではツノが躍らず、バレやすいといったデメリットがある。慣れないうちはブランコを使うのが無難。

ツノ数は5~8本が扱いやすい。本数が多いほど手前マツリが多くなり、仕掛けの落下速度は遅くなるので、サバに邪魔されやすくなる。

中オモリ&下オモリ

中オモリは使用しなくてもいいが、使う場合は先イトとミキイトの間に5~10号を付ける。メリットは竿をシャクリ上げた時に、ツノがイレギュラーに動き、逃げ惑う小魚を演出してアピールできること。

また、巻き上げた時、穂先にイトが絡みつくのを防げる。下オモリは地域や釣り場により120~150号が使われている。

ヤリイカの釣り方

次に具体的な釣り方を解説しよう。

準備と投入

風下にセットした投入器に、上のツノから、カンナを下にして1本ずつ挿し込んでおく。その際、イト絡みがないか、確認すること。合図がでたら、オモリを前方へ真っすぐに投入する。

斜めに投げ入れたり、タイミングが遅れたりすると、ほかの人の仕掛けとオマツリする原因となるので注意したい。ミチイトがスムーズに滑り出したら、竿先を下げてイトの摩擦抵抗を軽減し、イチ速く仕掛けが底に届くように努めよう。

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合図と同時の速やかな投入が肝要(提供:週刊つりニュース関東版 編集部)

着底の直後

イカは真っ先に落下してきたツノに飛び付くことがある。着底したら、竿先を注視しながら慎重にイトフケを取り、ソフトにあおること。

シャクリと誘い

着底直後の乗りがなければ、シャクリにはいる。スルメに比べ、身がやわらかく運動力は劣るので、力強くスピーディーなシャクリは不向き。

まず海面から1m、次に目線の高さまで、スーッスーッと2段に分けてソフトにシャクる。頂点で2~3秒のポーズを入れ、乗る間を与える。ソフトなシャクリといっても、小魚のようにツノが躍らなければ、興味を示さない。ほどほどの速度でシャクること。

これで乗らなければ、シャクり上げた分を巻き取りながら、竿先を海面に戻し、再度シャクる。これを繰り返し、指示ダナの範囲を丹念に探る。

上ダナまでシャクって乗らなければ、再びオモリを底まで落とし、またシャクり上げる。

3~4往復しても乗らない時は、ハイスピードで30~40m巻き上げ、イカの視界からいったん仕掛けを消し去り、改めて落とすと効果がある。

落し込みの誘い

通常の泳層は底上7~8mまでだが、高活性時に20mほど上がることがある。そうした指示があったら、落し込みによる誘いを試みよう。仕掛けを底まで落とさずに、指示された上ダナの手前で止める。そこからサミングをかけながら徐々に仕掛けを送り込み、2mごとにシャクリをいれる。

落し込みでは、前アタリがなく、いきなりツノに抱きつくように乗ることが多い。一度、ほどよく竿をあおってから、巻き取るといい。

アタリと追い乗り

グッと竿先に重みがかかったら、すぐにシャクリを止める。同じ位置で待ち続けたり、シャクリ続けたりしていると、先に乗ったイカをバラシかねない。そのまま手巻きでゆっくりと5~6m巻き上げて、追い乗りを狙おう。

ポーズにはいった途端に竿先がフワフワとわずかに揺れることがある。これが前アタリで、触手を伸ばし、イカヅノをつかみかけているところ。この場合も、シャクリを止めてソフトに聞き上げる。

すると、エサを逃すまいとがっちりツノを抱え込み、グッと乗る感触がくる。

巻き上げと取り込み

竿をホルダーに掛けたまま巻き上げると、バラシの要因となる。なるべく手持ちで行いたい。竿尻を小脇にしっかりと挟み、穂先を海面に向け、斜めに下げて中速で巻き上げる。多点掛けした時は引きが強いので、無理に引っ張らないこと。船の上下動に合わせて竿先の位置を調整しながら対応する。

ミチイトを緩めてしまうとバレてしまうのでNG。仕掛けが上がってきたら、ミキイトをしっかりつかみ、慎重にたぐって取り込む。

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バレないよう祈りながら取り込み(提供:週刊つりニュース関東版 編集部)

釣れない時は

タナは指示通りだし、懸命にシャクっているのに、なぜか自分の仕掛けには乗ってこない、という時には、真っ先にツノの点検をすること。イカのスミや肉片、汚れなどが付着していると、極端に乗りが悪くなる。歯ブラシなどで奇麗に取り除こう。

ツノに傷やくもりが入ったり、イトに縮れがあったりすると、同様に乗りが落ちる。迷わずに新しい仕掛けに交換しよう。

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活きイカパックのサービスがある船宿も(提供:週刊つりニュース関東版 編集部)

<週刊つりニュース関東版 編集部/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース関東版』2021年1月22日号に掲載された記事を再編集したものになります。

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