夏の風物詩のひとつ、夜イカ。昼の暑さを忘れて暗闇のなか、竿をだすのは独特の釣趣がある。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 編集部)
茨城県夜イカの釣況
茨城那珂湊のかもめ丸では8月6日、ムギ・スルメでいい人38尾。5日は13~53尾。鹿島の幸栄丸では6日、ムラサキイカ5~20尾とスジイカ40~160尾。同港の不動丸では5日、スジ、ムラサキイカで11~74尾。イカメタル28尾。
まだまだ、始まったばかりでこれからに期待。

タックル
胴突きとイカメタル用タックルの2パターンを紹介。
胴突きタックル
竿:スルメ主体なら1.6~2.4mで7対3の先調子から6対4の胴調子が多く使われる。手返しを考えれば前者がいい。
リール:タナが浅いので中型両軸か小型電動でOK。ミチイトはPE3~4号を200m以上。ツノをたくさん付ける場合は中型電動でないと焼けて壊れる可能性があり注意。
仕掛け:11~14cmプラヅノ、または5~7cm(3~4号)ウキスッテを用いたブランコ式が一般的だが、最近はサバの猛攻をうけるので直結が有利。
カラーは下から淡、濃、淡、濃と交互に配色するのが基本。コマセヅノ(捨てヅノ)と呼ばれる乗りの悪い色を交ぜることで仕掛け全体の配色にメリハリがでるといい。

ミキイトは、フロロの4~5号、良型が多いときは6号を使う。枝スは3~4号8~15cm。ミチイトと仕掛けの間には、必ず白色や緑色の点滅式の水中ライトを付けるようにしたい。オモリは60~80号前後(船宿で指定あり)。
接続は直結でも構わないがビーズなどを介すとヨレや絡みが少ない。スッテを使う場合は長さ1~2cmの直ブラ式や、扱いに慣れてきたら直結仕掛けでもいいだろう。

イカメタルタックル
イカメタルに関しては、同船で釣行可能のことがほとんどだが事前確認をすること。タックルはテンヤマダイ用流用できる。

夜イカの釣り方
完全に日が沈んでからが本番。ポイントが決まると、船長がパラシュートアンカーを入れて潮に乗せる流し釣りで狙う。

タナを探る
「○~○m」とタナの指示があるので、その下限まで仕掛けを落とす。夜イカ釣りはいわば船中共同作業。周りや船長にタナを伝えて、そこから下には仕掛けを落とさないようにし、イカの群れを浅ダナに誘い上げる。

海面下10mくらいまで1m刻みに探っていくと、体力的にも無理がなく効率的。竿先を海面まで下げ、そこから目線辺りまでゆっくり聞き上げて止める。イカが乗ったらそこが当たりダナ。その水深を覚えておき、次投からはその付近で集中的に誘いをかける。
全員で協力してイカの群れを少しずつ上に誘い上げ、船下の浅いタナまで寄せよう。シャクリ方は日中の釣りと変わらないが、水深が浅いぶん、ソフトに行う。とくにスッテを長めのエダスで使う場合は、スッテ自体の浮力を利用して誘い、ポーズは長めに取る。
1mほど誘ったら数秒止め、水中を漂うスッテにイカが乗る間を与える。また、当たりダナを見つけたら数m手前から少しずつサミングして落とし込む誘いも効果的。
定期的なツノ交換も大事
乗りがいいときは直ブラや直結仕掛けで狙っても面白い。こちらは手釣りと同じ要領で間を与えずに上へ上へとスピーディーに誘っていく。
プラヅノの場合は1m刻みに段をつけてリズムよくシャクっていく。落とし込みも同様に段をつけると効果的だ。なお、プラヅノは新しいほど乗りがいいので、自分だけ乗りがなくなったらツノを交換してみよう。
手返しよく取り込もう
シャクリのスピードを落とし、竿いっぱいに聞き上げるか数mゆっくり巻いて、追い乗りさせる。群れの活性が高ければ水面近くで乗ってくることも。「仕掛けが落ちない」「上のイカを外しているときに乗っちゃった」なんてこともある。
こうなれば、あとは多点掛けを狙ってゆっくり巻き上げる。時合いを逃さないように手返しよく取り込もう。
イカが水面に見えたら竿をキーパーに掛ける。竿を立てたらツノをつかんで、イカを足元のタルのなかに振り落とす。同時に次のツノをつかみ、絡まないように空いたツノはマットに掛けるか、イトが絡まないようにしておく。
慣れないうちは手前マツリを起こしやすいので、ツノ数を減らすなどして手返しを少しでも早めたほうがいい。
時期によりムラサキイカ主体になる場合があるので、事前に船宿へよく確認しておこう。

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出船場所:那珂湊港
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<週刊つりニュース関東版 編集部/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース関東版』2019年8月16日号に掲載された記事を再編集したものになります。