1月22日(日)、中山競馬場で4歳以上馬によるGⅡアメリカジョッキークラブカップ(芝2200m/以下、AJCC)が行なわれる。

アメリカジョッキークラブCは6歳馬が強い。今年の注目はルーラ...の画像はこちら >>

昨年の七夕賞を勝利したエヒト

 過去の勝ち馬には2020年ブラストワンピース、2012年ルーラーシップ、2011年トーセンジョーダン、2007年マツリダゴッホ、1999年スペシャルウィーク、1998年メジロブライトなど、数々のGⅠ馬が名を刻んでいる。
GⅠ馬が年明けの初戦に選ぶことが多いが、このレースをきっかけにGⅠホースへと羽ばたく例も多い"出世レース"でもある。

 中山・芝2200m戦の種牡馬別成績を見ると、強いのはやはりディープインパクトで、2013年以降に166頭が出走して23勝(勝率13.9%)と最多勝。2位は179頭が出走して18勝(勝率10%)のステイゴールド。3位のルーラーシップは9勝(67頭が出走)だが、勝率は13.4%とディープインパクトに匹敵する数字を残している。

 ルーラーシップ自身も2012年のAJCCを勝っており、そのレースは不良馬場の中、2着に3馬身差をつける圧勝だった。産駒ではダンビュライトが2018年に勝利。
中山・芝2200mの重賞では、リオンリオンが2019年のGⅡセントライト記念を制し、昨年のGⅡオールカマーではロバートソンキーが2着に入っている。

 今回は2頭のルーラーシップ産駒が登録を行なっているが、狙いたいのはエヒト(牡6歳、栗東・森秀行厩舎)だ。

 同馬は昨年のGⅢ七夕賞(福島・芝2000m)の勝ち馬で、前走のGⅢチャレンジC(阪神・芝2000m)3着から中6週での出走となる。AJCCには昨年も出走しており、勝ち馬から0秒7差の9着と敗れた。だが、出遅れてスローペースにはまってしまい、直線で行き場を失いながらも最後まで伸びており、内容は悪くなかった。

 当時はローテーションも厳しく、そのレースまでの約1年4カ月は大きな休みもなく13戦を消化し、ひとつ前の準オープン戦を勝ってオープンに上がったばかりだった。
しかし、昨年の春を休養に充て、約5カ月ぶりとなった七夕賞を勝利。続くGⅢ新潟記念では14着と敗れたが、そこから約3カ月ぶりの前走チャレンジCでは勝ち馬から0秒3差の3着に入っている。休養で確かな成長を見せ、ゆったりしたローテーションで迎える今回は、前回以上の走りを見せてくれそうだ。

 母の父ディープインパクトも、前述通り中山・芝2200mは得意条件で、AJCCでは2013年にダノンバラード、2016年にディサイファと2頭の産駒が勝利。また、3代母の父サドラーズウェルズは、昨年の勝ち馬キングオブコージ(父ロードカナロア)、2021年の勝ち馬アリストテレス(父エピファネイア)なども母系に持っており、レースと相性がいい血が揃っている。

 さらに、昨年のキングオブコージのほか、2019年シャケトラ、2015年クリールカイザー、2014年ヴェルデグリーンなど、6歳馬が強いのも心強い。

そういったデータが期待をさらに高める。

 もう1頭も6歳馬で、ディープインパクト産駒のブラックマジック(牡6歳、美浦・戸田博文厩舎)に注目。重賞レースでの実績はないが、この中山・芝2200mでは2戦2勝。中山全体でも芝2000~2500mまでを4戦して2勝、2着1回、3着1回と複勝率100%を誇る。

 2021年1月に勝利した3勝クラスの迎春S(中山・芝2200m)では、のちにGⅡ目黒記念を勝つウインキートス、GⅡ阪神牝馬Sを勝つデゼル、GⅠエリザベス女王杯で3着に入るクラヴェルなどを破っている。母はGⅠ独オークス(芝2200m)を勝ったナイトマジックという良血でもあり、血の開花に期待したい。


 以上、今年のAJCCはルーラーシップ産駒エヒト、ディープインパクト産駒ブラックマジックの2頭に期待する。