厳選!2歳馬情報局(2023年版)
第23回:シャハザマーン

 多数の良血馬がひしめく今年の2歳世代。そのなかでも、間違いなくトップクラスの注目を集めている逸材がデビューに向けて着々と準備を進めている。

 栗東トレセンの藤原英昭厩舎に所属するシャハザマーン(牡2歳/父ドゥラメンテ)である。

2頭のGIホースを兄に持つシャハザマーン「キレも出てきた」と...の画像はこちら >>
 同馬の注目度が高いのは、2頭のGIホースを兄に持つからだ。1頭は、2014年生まれのアルアイン(牡/父ディープインパクト)。2017年に3歳クラシック初戦のGI皐月賞(中山・芝2000m)を制し、続くGI日本ダービー(東京・芝2400m)でも5着と善戦した。

 以降も重賞戦線で活躍。古馬になってからも、勝つまでには至らなかったが、GIでも何度となく上位争いを演じた。

そして2019年、5歳春に挑んだGI大阪杯(阪神・芝2000m)で2度目の戴冠を果たした。

 もう1頭は、2018年生まれのシャフリヤール(牡5歳/父ディープインパクト)。こちらは、2021年のダービーで断然人気のエフフォーリアを下して栄冠を手にした。

 さらに、古馬になった翌2022年には海外GIのドバイシーマクラシック(UAE・芝2410m)を制覇。ふたつ目のGIタイトルを手にした。その後も、国内外のGI戦線で奮闘し、さらなるタイトル奪取が期待されている。

 これら偉大な兄がいる名門一族の出身であるシャハザマーン。管理する厩舎スタッフは、同馬についてどんな感触を得ているのだろうか。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「シャハザマーンについてスタッフは、『馬体は兄シャフリヤール(450kg~460kgほど)よりも大きくて、馬体重は480kgくらいあります。体のボリュームはあるけれど、重苦しさはなく、素軽い走りをするタイプですね』と、まずまずの手応えを感じているようでした。

 追い切りを重ねるごとに『状態がよくなってきた』とも話しており、『キレも出てきたよ』とスタッフの声のトーンも上昇。

評判どおりの活躍が期待できそうです」

 動きに関する陣営の評価は高いようだが、気性面はどうなのか。トラックマンが続ける。

「多少は気の入るところもあるようですが、『悪さをするような面はない』とのこと。『追い切りでは集中して走れている』とスタッフは話しており、それが先ほど言った"キレ"にもつながっているのでしょう。兄シャフリヤール同様、瞬発力に秀でたタイプかもしれません」

 同馬は当初、11月末のデビューを予定していたが、調教後の外傷により、延期となった。とはいえ、骨折などの大きなケガではないため、引き続き初陣に向けて調整を続けていくとのこと。

 2歳世代屈指の良血馬がどんなキャリアを築いていくのか、楽しみにしたい。