厳選!2歳馬情報局(2023年版)
第25回:ミラビリスマジック

 コンスタントに活躍馬を出している繁殖牝馬から新たに1頭、楽しみな若駒が誕生。まもなくデビューを迎える。

 美浦トレセンの国枝栄厩舎に所属するミラビリスマジック(牝2歳/父キズナ)である。

 繁殖牝馬として活躍を続ける同馬の母は、ソーマジック。現役時代には、デビュー3戦目から3連勝でオープン特別のアネモネS(中山・芝1600m)を制し、牝馬三冠レースすべてに出走した。特に初戦のGI桜花賞(阪神・芝1600m)では、3着と健闘した。

 そして前述のとおり、引退後は母として実力を発揮。2014年生まれのソーグリッタリング(牡/父ステイゴールド)は、リステッド競走2勝を含めて通算7勝を挙げた。

重賞でもGIIIエプソムC(東京・芝1800m)2着をはじめ、何度も上位争いを演じている。

 2017年生まれのマジックキャッスル(牝/父ディープインパクト)は、デビュー3戦目から重賞戦線で奮闘。明け4歳のGIII愛知杯(中京・芝2000m)で重賞初制覇を遂げた。GIにおいても、3歳時にGI秋華賞(京都・芝2000m)で2着、4歳時にGIヴィクトリアマイル(東京・芝1600m)で3着と好走を果たしている。

厩舎スタッフが絶賛するミラビリスマジック「動きは軽いし、走り...の画像はこちら >>
 また、2018年生まれのソーヴァリアント(牡5歳/父オルフェーヴル)は、2021年、2022年とGIIIチャレンジC(阪神・芝2000m)を連覇。以降も重賞戦線で善戦を続けている。

 さらに、2020年生まれのソーダズリング(牝3歳/父ハーツクライ)も、GIIフローラS(東京・芝2000m)で2着に入って、今年のGⅠオークス(8着。東京・芝2400m)に出走。秋には3勝クラスの三年坂S(京都・芝1600m)を快勝してオープン入りし、今後のさらなる飛躍が期待されている。

 このように優秀な母を持ち、兄姉にズラリと活躍馬が並ぶミラビリスマジック。管理する国枝厩舎のスタッフに話を聞くと、この馬にも素質の高さを感じているという。関東競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「ミラビリスマジックについて、スタッフは『動きは軽いし、走りがいい。素質は十分で、初戦から勝ちを意識できる』と手放しの評価でした。

 馬体重は450kgほどで、同じく国枝厩舎に所属していた『姉のマジックキャッスルにも似ている』とのことですから、ますます期待が膨らみます。馬体の作りについては、『胴長の体型で、お尻もプリンとしている』と話していました」

 重賞勝ち馬の姉を引き合いに出すことからして、陣営が得ている感触は相当なものに違いない。トラックマンは続けて、ここまでの調整過程について説明する。

「入厩前は蹄鉄を打つと、少し脚を気にする素振りがあったようです。

そのため、ここまでは脚元の負担が少ない坂路調教しかやっていません。

 しかし現在は、『蹄鉄を打っても気にしていないし、状態は問題なさそう』とスタッフ。そのうえで、『この時期としては十分な動き』と褒めていますから、初戦から勝ち負け必至でしょう」

 初陣の予定は、12月24日の2歳新馬(中山・芝1600m)。はたして、ミラビリスマジックは重賞で結果を残してきた兄姉以上の活躍ができるのか。デビュー戦の走りに注目したい。