【種牡馬は「勝率」で見る】

 1月19日(月)、中山競馬場で3歳馬によるGⅢ京成杯(芝2000m)が行なわれる。

 このレースは昨年、1着ダノンデサイル、2着アーバンシックと、後のGⅠ日本ダービー(東京・芝2400m)馬とGⅠ菊花賞(京都・芝3000m)馬で決まった。2023年の勝ち馬ソールオリエンスも続くGⅠ皐月賞(中山・芝2000m)を勝ち、同年6着だったシャンパンカラーはGⅠNHKマイルC(東京・芝1600m)を勝利と、直近2年の出走馬から4頭のGⅠ馬が出ている出世レースだ。



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 血統的視点から展開を占ってみよう。過去5年の中山・芝2000mの種牡馬別成績を見ると、1位がハーツクライの18勝。以下、ディープインパクトが16勝、エピファネイアが15勝と続いているが、勝率の高さが目立つのがキタサンブラックだ。

 産駒がデビューしてから約3年半で60戦とレース数こそ多くはないが、10勝、2着4回で勝率は16.7%、連対率は23.3%と、勝利数1位のハーツクライよりも高い数字を残している。しかも中身が濃く、10勝のうち4勝が重賞。前述のソールオリエンスが2023年の京成杯や皐月賞を、クリスマスパレードが2024年GⅡ紫苑S(中山・芝2000m)をコースレコードで、クロワデュノールが2024年のGⅠホープフルS(中山・芝2000m)を勝利している。

 今年はシマサンブラック(牡3歳、美浦・蛯名正義厩舎)が出走を予定している。同馬は牝系も優秀で、いとこにGⅠジャパンC(東京・芝2400m)やGⅠ朝日杯フューチュリティS(中山・芝1600m)を勝ったローズキングダム、近親にGⅠ秋華賞(阪神・芝2000m)、GⅠエリザベス女王杯(京都・芝2200m)のスタニングローズなど、多くの活躍馬が出る"バラ一族"ことローザネイ系の出身だ。

 また、母の父ハービンジャーも"中山巧者"として知られる血統で、直仔ベルーフとプロフェットがこのレースを勝利し、ブラストワンピースはGⅠ有馬記念(2500m)を勝利。母の父としても、有馬記念のレガレイラ、GⅡセントライト記念(2200m)を勝ったアーバンシック、GⅡスプリングS(1800m)を勝ったベラジオオペラなど、多くの中山重賞ウィナーを輩出している。

 シマサンブラックはここまで3戦1勝。デビュー2戦目の未勝利戦(札幌・芝1800m)で勝ち上がり、続く芙蓉S(中山・芝2000m)は4着。

今回はそれ以来、約3カ月半ぶりの実戦となる。

 芙蓉Sはスローペースのなかで後方追走と、決して展開は向かなかったが、外を回りながら早めに動き、最後までジワジワと伸びる走りは悪くなかった。父キタサンブラックや、母の父ハービンジャーの血は2歳戦より3歳戦に強く、この血統の成長力を考えれば、いきなり通用しても不思議はない。

【もう1頭も中山コースが得意なエピファネイア産駒】

 もう1頭はミニトランザット(牡3歳、栗東・杉山佳明厩舎)を推す。父がエピファネイアなのは、昨年の勝ち馬ダノンデサイルと同じで、全姉イフェイオンは昨年のGⅢフェアリーS(中山・芝1600m)の勝ち馬だ。

 母の父は有馬記念などを勝ったゼンノロブロイだが、父エピファネイア、母の父ゼンノロブロイの配合馬には、GⅡニュージーランドT(中山・芝1600m)2着のシーズンズギフト、京成杯3着のヴェローナシチーと、全姉以外にも中山の重勝好走馬が出ている。エピファネイア産駒といえば、先週のフェアリーSもエリカエクスプレスが勝利。過去には皐月賞、有馬記念を勝ったエフフォーリアもおり、中山コースは得意としている。

 以上、今年の京成杯は、キタサンブラック産駒シマサンブラック、エピファネイア産駒ミニトランザットの2頭に期待する。

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