【牝系や配合から見た注目馬は?】
3月9日(日)、中山競馬場で3歳馬によるGⅡ弥生賞ディープインパクト記念(芝2000m)が行なわれる。
昨年は6番人気のコスモキュランダが勝利し、のちにGⅠ皐月賞(中山・芝2000m)で2着。2023年の勝ち馬タスティエーラは2走後のGⅠ日本ダービー(東京・芝2400m)を勝利し、2022年の勝ち馬アスクビクターモア、2021年の勝ち馬タイトルホルダーはともに秋のGⅠ菊花賞(京都・芝3000m)を勝利と、このレースの勝ち馬が後のGⅠ戦線で活躍することが多い。
さらに、2022年2着のドウデュースが日本ダービー、2021年2着のシュネルマイスターがGⅠNHKマイルC(東京・芝1600m)を勝利するなど、敗れた馬もその後に活躍することが目立つ。2着以下の馬の将来性も注目したいところだ。
このレースを血統的視点から占っていこう。今回はシンプルに、牝系や配合の優れた馬を推していきたい。その点で、筆者が期待するのはアロヒアリイ(牡3歳、美浦・田中博康厩舎)だ。
同馬の父ドゥラメンテは、今回と同じ舞台で行なわれた皐月賞、その次走の日本ダービーを勝利。産駒は、前述のタイトルホルダーが2021年に同レースを勝利しているほか、2022年にはドゥラエレーデが中山・芝2000mのGⅠホープフルSを勝利しており、このコースの重賞は好相性だ。
ちなみに、アロヒアリイの「父ドゥラメンテ、母の父オルフェーヴル」という配合はドゥラエレーデと同じ。この配合はほかに、ドゥラエレーデの全妹マリアイリダータもいるが、3頭すべて勝ち上がっており、かなり相性のいいニックスと言える。
アロヒアリイは牝系も優秀だ。伯父にGⅡ青葉賞(東京・芝2400m)を勝ったアドミラブルがいるほか、4代母バレークイーンから広がる一族には日本ダービー馬フサイチコンコルド、皐月賞馬のアンライバルドやヴィクトリーなど、クラシックホースが続出している。
アロヒアリイはここまで2戦1勝。
【もう1頭はキタサンブラック産駒】
もう1頭は、ブラックジェダイト(牡3歳、美浦・大竹正博厩舎)を推す。
同馬は昨年12月28日の新馬戦(中山・芝2000m)を勝っただけの1戦1勝という成績だが、その勝ちっぷりがよく、2、3番手から抜け出して2馬身差をつけるという"横綱相撲"だった。かなりのスケールを感じさせる走りだったのに加え、コース経験があるのも心強い。
血統も魅力的で、「父キタサンブラック」はイクイノックスや、皐月賞馬ソールオリエンス、昨年のホープフルSを勝ったクロワデュノールと同じ。また、叔母にGⅠ独オークス(デュッセルドルフ・芝2200m)勝ち馬のウェルタイムド、曽祖母の兄にGⅠ仏ダービー(シャンティイ・芝2400m)馬エルナンドがいる名門牝系だ。母の父モンズンは独チャンピオンサイアーで、日本でもGⅠオークス(東京・芝2400m)馬ソウルスターリングの母の父などで存在感を示している。
以上、今年の弥生賞ディープインパクト記念は、ドゥラメンテ産駒アロヒアリイ、キタサンブラック産駒ブラックジェダイトの2頭に期待する。