【父、母の父、牝系もレースに縁がある「本命」】

 3月16日(日)、中山競馬場で3歳馬によるGⅡスプリングS(芝1800m)が行なわれる。

【競馬予想】皐月賞トライアル、スプリングSは「レースと縁があ...の画像はこちら >>

 このレースは4月20日に行なわれるGⅠ皐月賞(中山・芝2000m)のトライアルレース。最近は本番に直結しないことも多いが、2020年2着のヴェルトライゼンデがGⅠ日本ダービー(東京・芝2400m)3着、2019年7着のロジャーバローズが日本ダービーを勝利、2018年2着のエポカドーロが皐月賞を勝利、2015年の勝ち馬キタサンブラックが皐月賞3着など、敗れた馬も含め、春のクラシックレースで馬券に絡むケースも少なくない。

 レースを血統的視点から占っていこう。今回の出走予定馬には、このレースに縁のある血統馬が多い。中でも筆者が本命に推したいのがピコチャンブラック(牡3歳、美浦・上原佑紀厩舎)だ。

 父キタサンブラックは有馬記念(中山・芝2500m)、ジャパンC(東京・芝2400m)などGⅠを7勝した名馬で、前述のように、2015年にはデビューからの3連勝でスプリングSを制している。

 キタサンブラックは2000m以上の実績が豊富なため、長距離タイプのイメージが強いかもしれないが、1800mでは2戦2勝。スプリングSは重賞初出走で5番人気だったが、リアルスティール、ダノンプラチナ、ベルーフといった重賞勝ち馬が揃ったハイレベルな争いを制している。

 ピコチャンブラックは母の父ネオユニヴァースにも注目だ。同馬は2003年のスプリングS、皐月賞、日本ダービーを連勝したクラシック2冠馬。産駒のアンライバルドもスプリングS、皐月賞を勝利している。

 そのアンライバルドは、ピコチャンブラックの母トランプクイーンの全兄。牝系はほかにも日本ダービー馬フサイチコンコルド、皐月賞馬ヴィクトリーなども輩出している名門である。父、母の父、牝系と、これほどスプリングSに縁のある血統の馬はなかなかいないだろう。

 ピコチャンブラックの戦績を振り返ると、昨年7月の新馬戦(福島・芝2000m)を7馬身差で圧勝。続くアイビーS(東京・芝1800m)は、後にGⅢ共同通信杯(東京・芝1800m)を勝ったマスカレードボールに次ぐ2着だった。

 前走のGⅠホープフルS(中山・芝2000m)は13着と大敗したが、馬群に揉まれる競馬に戸惑ったようだ。今回はじっくり立て直したので、それを克服して力を出し切れば勝ち負けできるだろう。

【もう1頭もスプリングSとの縁から選ぶ】

 もう1頭はフクノブルーレイク(牡3歳、美浦・竹内正洋厩舎)を推す。父ウインブライトは、2019年にGⅠ香港C(シャティン・芝2000m)とGⅠクイーンエリザベス二世C(シャティン・芝2000m)を勝ったほか、2017年のスプリングS、2018、19年のGⅡ中山記念と、「中山・芝1800m」の重賞を3勝している。

 母の父ロードカナロア産駒も、2018年ステルヴィオ、2023年ベラジオオペラがスプリングSを勝利。この馬も父、母の父ともにこのレースに縁のある血だ。

 フクノブルーレイク自身は、昨年11月の未勝利戦(中山・芝2000m)で勝ち上がり、前走はフリージア賞(1勝クラス、東京・芝2000m)で3着に入っている。ウインブライトの主戦だった松岡正海騎手が騎乗するのにも注目だ。

 以上、今年のスプリングSは、キタサンブラック産駒ピコチャンブラック、ウインブライト産駒フクノブルーレイクの2頭に、父仔スプリングS制覇を期待する。

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