【皐月賞に縁のある血を集めたような1頭に注目】

 4月20日(日)、中山競馬場で3歳馬によるGⅠ皐月賞(芝2000m)が行なわれる。

【競馬予想】皐月賞はクロワデュノールの一強ムードも........の画像はこちら >>

 今年はクロワデュノールの"一強"ムードが漂う。同馬は6月のデビュー戦から続くGⅡ東京スポーツ杯2歳S(東京・芝1800m)、GⅠホープフルS(中山・芝2000m)と3戦3勝。

これまで破った相手が次々と重賞やリステッド競走を勝っていることや、2着以下に2馬身差をつけたホープフルSの内容からも、頭ひとつ抜けた存在と見られている。

 筆者もクロワデュノールは強いと思うが、ホープフルSから約3カ月半が経った。馬の成長曲線や調子の波、コース適性、展開適性、レース中の有利不利、騎手の判断など、競馬の結果にはさまざまな要素が絡んでいる。他馬との比較などを含め、3戦で判断してしまうのは早計だろう。

 特に馬の成長曲線やコース適性などは、血統から占える部分も多い。よってこのレースを血統的視点から占っていきたい。

 今回の出走予定馬で、「中山・芝2000mの皐月賞」を前提にした場合、最も血統的に魅力を感じるのがアロヒアリイ(牡3歳、美浦・田中博康厩舎)だ。

 父ドゥラメンテは2015年の皐月賞馬で、母の父オルフェーヴルも2011年の皐月賞を勝ったクラシック3冠馬。さらに牝系を見ると、祖母の兄ヴィクトリーが2007年、曽祖母の弟アンライバルドが2009年に皐月賞を制しており、皐月賞に縁のある血を集めたような血統背景となっている。

 さらに、「父ドゥラメンテ、母の父オルフェーヴル」という配合は、2022年のホープフルSを勝ったドゥラエレーデと同じ。ドゥラエレーデは皐月賞には出走していないが、ホープフルSは皐月賞と同じ中山・芝2000mのため、コース適性は高いと言っていい。ちなみに、オルフェーヴルが勝った皐月賞は東京競馬場で行なわれたが、オルフェーヴル産駒には2018年の皐月賞馬エポカドーロもいる。

 アロヒアリイはこれまで3戦1勝。昨年11月に東京・芝2000mの新馬戦を2馬身半差で完勝し、年明けの中山・芝2000m戦は出遅れて前を捉えきれず2着だった。そして、前走のGⅡ弥生賞ディープインパクト記念(中山・芝2000m)では、スタート直後に他馬に接触し、4コーナーでもかなり外に振られながら、ゴール前でグイッと伸びて3着に入り皐月賞の出走権を獲得した。ゴール前の脚いろは1、2着馬を凌ぐ勢いがあり、展開も向いたわけではないので、内容としては高く評価できるものだった。

 キャリア3戦と実績面では劣るが、今年に入って2戦し、前走後もかなりの本数乗り込まれているため成長も見込める。この牝系の馬は前述のヴィクトリー、アンライバルド、そして日本ダービー(東京・芝2400m)馬フサイチコンコルドと、いずれも3歳春に急激に成長する傾向も。この大一番でその血が騒ぎ、強い競馬を見せるシーンも十分に想像できる。3歳クラシック戦線の主役に躍り出るような力強い走りに期待する。

【もう1頭は中山芝2000mで好走】

 もう1頭はヴィンセンシオ(美浦・森一誠厩舎)を推す。同馬の父リアルスティールは、2015年の皐月賞2着馬だが、その時勝ったのがアロヒアリイの父ドゥラメンテだった。そして祖母がシーザリオという良血で、おじのサートゥルナーリアがこの皐月賞を勝っているほか、同じくおじのエピファネイアが皐月賞2着、リオンディーズが5着(4位入線)と、皐月賞とは縁のある血統だ。

 ヴィンセンシオはこれまで3戦2勝。

2戦目の葉牡丹賞は今回と同じ中山芝2000mで、1分58秒8という好時計で勝利し、前走の弥生賞ディープインパクト記念でもタイム差なしの2着。2戦続けて中山芝2000mで好走しているのは大きな強みだ。

 以上、今年の皐月賞はドゥラメンテ産駒アロヒアリイ、リアルスティール産駒ヴィンセンシオの2頭に期待する。

編集部おすすめ