3歳牝馬ランキング(前編)

 昨年同様、今年の3歳牝馬戦線もかなりの混戦だ。

 まずそれを証明したのは、世代最初のGIとなる「2歳女王決定戦」阪神ジュベナイルフィリーズ(以下、阪神JF。

12月14日/阪神・芝1600m)だ。断然人気のアランカール(牝3歳/父エピファネイア)が5着に敗れ、2番人気のスターアニス(牝3歳/父ドレフォン)が頂点に立った。

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 さらにその後、阪神JFで2着に入ったギャラボーグ(牝3歳/父ロードカナロア)が、クラシックとの関連が深いGⅢクイーンC(2月14日/東京・芝1600m)に出走。1番人気に推されるが、後方のまま伸びを欠いて9着と惨敗を喫した。

 代わって勝利を飾ったのは、2番人気のドリームコア(牝3歳/父キズナ)。2着に11番人気のジッピーチューン(牝3歳/父ロードカナロア)、3着には7番人気のヒズマスターピース(牝3歳/父スクリーンヒーロー)が入った。

 そのほか、年明け最初の重賞、GⅢフェアリーS(1月11日/中山・芝1600m)でも、1、2番人気が馬群に沈む一方で、5番人気のブラックチャリス(牝3歳/父キタサンブラック)が勝利。10番人気のビッグカレンルーフ(牝3歳/父アメリカンペイトリオット)が2着、11番人気のレオアジャイル(牝3歳/父ダノンスマッシュ)が3着に突っ込んできている。

 春の牝馬クラシック開幕まで、およそ1カ月。波乱ムードは増すばかりだが、注目の前哨戦、GⅡチューリップ賞(3月1日/阪神・芝1600m)、GⅡフィリーズレビュー(3月7日/阪神・芝1400m)を前にして、現時点における3歳牝馬の『Sportiva オリジナル番付(※)』を発表したい。
※『Sportivaオリジナル番付』とは、デイリー馬三郎の吉田順一記者、日刊スポーツの木南友輔記者、JRAのホームページでも重賞データ分析を寄稿する競馬評論家の伊吹雅也氏、フリーライターの土屋真光氏、Sportiva編集部競馬班の5者それぞれが、今春のクラシックを目指す3歳牝馬の、現時点における実力・能力を分析しランクづけ。さらに、そのランキングの1位を5点、2位を4点、3位を3点、4位を2点、5位を1点として、総合ポイントを集計したもの。

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 混戦模様を象徴するように、5位には3頭がランクインした。1頭目は、GⅢファンタジーS(11月1日/京都・芝1400m)を制したフェスティバルヒル(牝3歳/父サートゥルナーリア)。前走後に骨折して戦線離脱していたが、クラシック初戦のGI桜花賞(4月12日/阪神・芝1600m)で復帰予定だ。

土屋真光氏(フリーライター)
「半兄は、昨年のGI皐月賞、GI有馬記念の覇者ミュージアムマイル。その兄と似た血統構成とあって、距離が延びるのは問題ないでしょう。骨折休養明けという点は気になるところですが、調整がきちんと間に合うようであれば、当然走破圏内と見ています」

 2頭目は、年明けのリステッド競走・紅梅S(1月17日/京都・芝1400m)を圧勝し、無傷の3連勝を飾ったリリージョワ(牝3歳/父シルバーステート)。そのまま、桜花賞へ直行する予定だ。

木南友輔氏(日刊スポーツ)
「2戦目のオープン特別・もみじS(10月19日/京都・芝1400m)で破った牡馬のダイヤモンドノットは、続くGⅡ京王杯2歳S(11月8日/東京・芝1400m)を完勝。GI朝日杯フューチュリティS(12月21日/阪神・芝1600m)でも2着と奮闘しています。

 紅梅Sは距離的に注目度が低くなりがちですが、そうした状況を踏まえると、軽視するのは禁物でしょう。勝ち時計も優秀でしたし、桜花賞まではいけるんじゃないかな、と思います」

 3頭目は、GⅢきさらぎ賞(2月10日/京都・芝1800m)で牡馬相手に3着と好走したラフターラインズ(牝3歳/父アルアイン)。ここまで4戦1勝だが、すべて3着以内に入っており、堅実な末脚は際立っている。

木南氏
「関東馬ながら(関西圏の重賞)きさらぎ賞に遠征したのは、オーナーサイドの評価が高い現われです。ただ、賞金加算できなかったのは痛いところ。桜花賞から目標をGIオークス(5月24日/東京・芝2400m)に切り替えて、そのステージに上がってくることを期待したいです。母系は"バラ一族"。クラシック制覇は一族の悲願ですし、その動向から目が離せない1頭です」

 4位にランクインしたのは、スウィートハピネス(牝3歳/父リアルインパクト)。阪神JFで4着と善戦したあと、年明け初戦のリステッド競走・エルフィンS(2月7日/京都・芝1600m)で1番人気に応えて快勝したことが評価された。

伊吹雅也氏(競馬評論家)
「2月15日終了時点の本賞金は4270万円で、JRAに所属する現3歳世代の牝馬としては単独7位。重賞未勝利ではあるものの、実績上位と言っていいでしょう。

 3代母が1998年の牝馬二冠馬ファレノプシス。母のフラルは現役時代にJRAで2勝をマークしています。ちなみに、母が主戦場としていたのは芝中距離のレースでした。

 2020年以降の桜花賞において、エルフィンSで2着以内となった経験がある馬の成績は、計6戦して1勝、2着1回、3着1回。

人気薄で馬券に絡んだ例が多い点も見逃せません。結果的に4着止まりだったものの、阪神JFでは出走メンバー中2位タイの上がりタイムをマーク。同じ舞台の桜花賞でも十分にチャンスがありそうです」

 3位には、前回1位だったアランカールが入った。チューリップ賞に出走予定だが、捲土重来なるか、注目される。

土屋氏
「阪神JFは、完全に"自爆"と言っていい競馬でした。むしろ、あの内容で5着入線を果たしたことは力のある証拠ではないでしょうか。母シンハライトの能力を考えても、このまま終わっていい馬ではないと思います。

 懸念されるのは、2戦目のオープン特別・野路菊S(9月20日/阪神・芝1600m)で下したメンバーがその後、案外なこと。敗れた5頭はいずれも2勝目を挙げられず、惨敗続き。レースレベルがそれほど高くなかったかもしれない、というのは気になるところです。

 勝ちタイム自体は、1分33秒5とまずまず。展開などを考えても、決して見劣りしないレースだったと思うのですが......。

なんにしても、同馬にとってはチューリップ賞が試金石になるでしょう」

(つづく)

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