3歳牡馬ランキング(前編)
昨年末に行なわれた「2歳王者」を決するふたつのGI、朝日杯フューチュリティS(以下、朝日杯FS。12月21日/阪神・芝1600m)では2番人気のカヴァレリッツォ(牡3歳/父サートゥルナーリア)が、ホープフルS(12月27日/中山・芝2000m)では7番人気の伏兵ロブチェン(牡3歳/父ワールドプレミア)が勝利。年が明けても、今春のクラシックにつながる芝1800m以上のリステッド競走、重賞では1番人気がことごとく敗退し、勝ったのはGⅢきさらぎ賞(2月10日/京都・芝1800m)を制したゾロアストロ(牡3歳/父モーリス)のみ。GⅢ共同通信杯(2月15日/東京・芝1800m)ではホープフルSの覇者ロブチェンが3着に敗れ、混戦状態に一段と拍車がかかっている。
そんななか、GⅡ弥生賞(3月8日/中山・芝2000m)、GⅡスプリングS(3月15日/中山・芝1800m)、リステッド競走の若葉S(3月21日/阪神・芝2000m)と、牡馬クラシック第1弾のGI皐月賞(4月19日/中山・芝2000m)への出走権を賭けた注目のトライアルが間近に迫ってきている。ここではそれらを前にしての、現時点での3歳牡馬の『Sportiva オリジナル番付(※)』を発表したい。
※『Sportivaオリジナル番付』とは、デイリー馬三郎の吉田順一記者、日刊スポーツの木南友輔記者、JRAのホームページでも重賞データ分析を寄稿する競馬評論家の伊吹雅也氏、フリーライターの土屋真光氏、Sportiva編集部競馬班の5者それぞれが、今春のクラシックを目指す3歳牡馬の、現時点における実力・能力を分析しランクづけ。さらに、そのランキングの1位を5点、2位を4点、3位を3点、4位を2点、5位を1点として、総合ポイントを集計したもの。
伊吹雅也氏(競馬評論家)
「ロブチェンは実績上位のGIウイナーですが、優勝を果たしたホープフルSで単勝オッズが19.8倍(7番人気)にとどまっていた点や、前走の共同通信杯で3着に敗れていることから、ここへ来て過小評価されているような印象を受けます。
また、2023年のノーザンファームミックスセールにおける購買価格は2310万円。母のソングライティングは現役時代にJRA未勝利だった外国産馬で、ポテンシャルの高さを実感しにくい血統背景である点も、セール時や現在の評価がそれほど高くないことにつながっているのでしょう。
ですが、2021年以降の皐月賞における、共同通信杯で4着以内となった経験がある馬の成績は、計12戦して3勝、2着1回、3着3回。勝ちきることができなかったとはいえ、出世レースの共同通信杯をステップに皐月賞へ臨む点は、プラスに考えてもいいと思います」
吉田順一氏(デイリー馬三郎)
「グリーンエナジーは馬体の前後上下のバランスがよく、つなぎのクッションも上々。ゆえに持続力のある脚が使えるタイプと言えますが、スワーヴリチャード産駒らしく頭が高い走法で、京成杯の最終追い切りでは舌がハミを越して、体もまだうまく使えていない印象がありました。
迎えたレース当日も、パドックでは舌がハミを超していました。しかしながら、落ちつきがあって歩きはスムーズでした。レースではスタートで無理をせずに後方で折り合いに専念。その分、ペースを考えると苦戦必至かと思われましたが、勝負どころからロスなく追い上げて、直線でもスムーズに馬群をさばいて快勝しました。
結果的にうまくハマった感はあるものの、中山・芝2000mで上がり33秒8の脚を使えたことは評価できます。気性や走り方を含め、まだまだ伸びしろは大きく、本質的には東京向きでしょう。皐月賞の結果にかかわらず、GI日本ダービー(5月31日/東京・芝2400m)ではパフォーマンスを上げてくる1頭。素材はトップクラスと見ています」
3位も11ポイントで並んだ2頭が入った。前回1位のアドマイヤクワッズ(牡3歳/父リアルスティール)と、共同通信杯で2着と好走したベレシート(牡3歳/父エピファネイア)だ。
吉田氏
「アドマイヤクワッズはGⅡデイリー杯2歳S(11月15日/京都・芝1600m)で競り落としたカヴァレリッツォに朝日杯FSでリベンジを許しましたが、これは枠の並びと展開面によるもの。状況が異なれば、違う結果になっていたと思います。
同レースのパドックでも二人引きでゆったりと歩けていて、均整の取れた馬体を誇っていました。つなぎの長さは通常ながら、クッションがあり、長くいい脚を使えます。
実際にレースでもスタートから後方でじっくりと脚をタメる形を取って、最後はしっかりと末脚を伸ばしてきました。時計の出やすい軽い馬場のうえ、重馬場ながら平均ペースで流れていたことを踏まえれば、厳しいポジションからよく追い込んで能力の高さを示したのではないでしょうか。
通ったコースや持続力のある脚を考慮すれば、2000mまで距離が延びても問題ありません。時計的にも、ホープフルS組より朝日杯FS組のほうに魅力を感じます。
ベレシートについては、共同通信杯の1週前のフォトパドックでは全体的に厚みが出ていて、悪くない印象でした。ただ、攻め気配は今ひとつ。レース当日のパドックでもトモがペタッとしており、まだよくなる余地を残した段階にあると思いました。
にもかかわらず、レースでは先行勢有利の展開をものともせず、強じんな末脚を繰り出して2着。
本誌競馬班
「アドマイヤクワッズは朝日杯FSで3着でしたが、クラシックを見据えた場合、上位勢との差はほとんどないと見ています。弥生賞でどんな走りを見せるのか、注目です。
ベレシートは共同通信杯での末脚が際立っていました。朝日杯FS5着から巻き返しを図ったリアライズシリウス(牡3歳/父ポエティックフレア)には屈しましたが、クラシック本番では逆転可能でしょう。勝ちきれないもどかしさはあるものの、ハマったら世代上位の強さを発揮しそうな雰囲気を感じます」
(つづく)◆本命なき牡馬クラシック戦線 「3歳牡馬ランキング」上位2頭も安泰ではない>>



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