【ワールドカップ】サッカー日本代表が強くなっていることは実感...の画像はこちら >>
 今回のワールドカップにおける日本代表の戦いぶりを総括するにあたっては、いろんな要素を整理して考える必要がある。

 具体的に言えば、主に2点。

何を基準にラウンド32(決勝トーナメント初戦)敗退という結果を評価するか。そして、結果はともかく、日本代表は強くなっているのか、である。

 まずは、ラウンド32敗退という結果について、である。

 これについては、多くの選手から「こんなところで終わるチームではなかった」という趣旨の言葉が聞かれたが、それが「我々が目指していたのは優勝であり、ブラジルに負けるようなチームではなかった」を意味するのなら、あまりに不遜と言うしかない。

 残念だが、ブラジルとはかなりの力の差があったことを認めざるを得ない。その差は、1-2というスコア以上のものである。

 まして優勝するためには、このレベルの相手をいくつも破って勝ち上がらなければならないのだから、優勝という目標はさすがに無理があった。

「目標は優勝」を基準にするのなら、ラウンド32敗退という結果は大惨敗。森保一監督の続投など、考えられないはずである。

 もしも本当に"第3次森保政権"が誕生するとすれば、日本サッカー協会は、本気で優勝するとは思っていなかった、ということになりはしないだろうか。

 しかしながら、「こんなところで終わるチームではなかった」が、「ラウンド32で負けるようなチームではなかった」を意味するのであれば、それは十分に賛同できる。

 決勝トーナメントに進出した、日本を除く31カ国のなかには、明らかに日本のほうが実力上位であるチームがいくつも含まれており、いきなりブラジルと対戦することになったのは、いかにもクジ運が悪かった。

 日本がこれまで到達したことのない「ベスト8進出」は、決して無理筋だったわけではなく、今大会の組み合わせ次第では、十分に実現可能なターゲットでもあったと考えていい。

 今大会での日本代表の4試合を振り返り、あらためて感じるのは、日本代表は強くなっている、ということ。単純な比較で言えば、過去2大会のベスト16敗退に比べ、今大会はベスト32敗退と、成績は降下してしまったわけだが、むしろ本当の意味での実力がついてきている、ということだ。

 オランダ、チュニジア、スウェーデンという粒ぞろいのグループに入りながら、決して番狂わせなどではなく、力関係どおりの結果を手にし、危なげなくグループリーグを突破したことは、日本サッカー全体のレベルアップの成果である。

 その意味においては、望外(実力以上)の結果を手にした前回大会のグループリーグ突破よりも、価値あるものだと言えるのかもしれない。

 しかしながら、すべての戦いを終え、どこか不完全燃焼の感が拭えないのは、今の日本の実力なら、もっと別の戦い方ができたのではないか、という疑念が残っているからだ。

 わかりやすく言えば、あそこまで守備的に戦わなければならなかったのか、である。

 確かに、南野拓実、三笘薫といった主力の攻撃陣をケガで失ったのは、痛かった。森保監督にしてみれば、戦い方を転換せざるを得なかったのかもしれない。

 だとしても、南野や三笘の代役を求めるのをやめ、守備的な戦力を厚くしたことで、結果的に自ら戦い方の幅を狭め、ただただ守り倒すサッカーしかできなくなったことについては、失望感が残る。

 いつかの時代の日本代表に逆戻りしたかのようだった。

 後藤啓介、塩貝健人といった実績に乏しいFWを抜擢したのは、一か八かの賭けだったのかもしれない。

だが、彼らが実際には戦力になっていなかったことを考えれば、そして、その結果は予想の範囲内であったことを考えれば、指揮官はメンバー選考の段階で、すでに判断を誤っていたと言われても仕方あるまい。

 今回のワールドカップを通じて、日本代表は間違いなく強くなっていると実感できた。決勝トーナメント初戦での敗退は、クジ運が悪かったからでもある。だがしかし、ブラジルに負けるにしても、今の日本代表ならもっと前向きな戦いができたはずだし、してほしかった。

 これが、今大会での日本代表の戦いを振り返ったうえでの結論である。

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