この記事をまとめると
■数代に渡って販売されたモデルのなかからベストバイを選出



■過去モデルの完成度が高すぎて新型がセールスで追い越せないモデルもある



■クルマは新型=最良とは限らないケースも多い



大人気モデルの中から歴代最高峰を探してみた

昭和生まれの筆者にとって、免許年齢前後に憧れたクルマは数あれど、その代表格が、日産スカイラインだった。それも、4代目の広告キャンペーンでケンとメリーのスカイラインを展開した「ケンメリ」と呼ばれたモデルのサーフィンラインを持つハードトップ版の白いボディだ。



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もちろん、GT-Rも存在したが、R34までの丸形4灯式テールライトを含め、どこから見ても最高にカッコ良かったことを、いまでも記憶している。

5代目ではいきなり地味なデザインになり、6代目の”鉄仮面”も、ケンメリと比べると、好みではなかった。



日本のファミリーカー、コンパクトカーを代表していたホンダ・フィット。2001年に登場した、センタータンクレイアウト採用の初代のデザイン、走り、室内空間の広さ、パッケージング、シートアレンジ性に衝撃を受けたが、デザイン的には2007年に登場した2代目がベストだといまでも思っている。



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2007-2008日本カー・オブ・ザ・イヤーで選考委員の筆者も最高点をつけ、見事、日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝いた1台でもある。3代目は中身こそ大幅な進化を遂げたものの、ぼってりとしたボディ、ボディサイドのピンセットのようなキャラクターラインがどうも気に入らなかったし、現行の犬顔となった4代目も、極細Aピラーによる視界や先進感と上質感あるインテリアなどはいいとして、デザイン的には大人しすぎて、いまいち好きになれないフィットである。ただし、クロスターは別。これはカッコいい。ボクが現行フィットを買うならクロスター一択である。



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多人数乗車可能な実用車のミニバンでは、日本のミニバンの真の歴史、普及をスタートさせたホンダ・オデッセイなら、所有していた2代目のアブソルートV6がベストのように思う。



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スライドドアではなく、ホンダならではの3/4代目の低全高・低重心パッケージでもないものの、ミニバンらしい車高、プレーンで品格あるエクステリアデザイン、そしてアブソルートV6の欧州車に匹敵する走りの質感が、当時としては感動もので即買い。10年も乗り続け、最後までお気に入りの愛車だった。よって、価格やサイズを含め、2代目アブソルートのV6がマイ・ベスト・オデッセイである。



先代のインパクトが大きすぎて新型が苦戦中!?

ミニバンでは、いまはなきトヨタ・エスティマ。それも、マイ・ベストなのは、2006年から2020年まで製造された3代目の2016年に行われた最後のビッグチェンジを行ったモデルだ。当時、ボクは「美魔女」と呼んでいたが、デビューから10年経ってもまったく色あせることなく、とくにフローティングルーフをさらに印象付けるブラックルーフ仕様が最高にスタイリッシュだった。



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ビッグチェンジと呼べる理由はまだある。走りの質を最新のライバルたちに追従させるため、ヤマハ製パフォーマンスダンパーをフロントに装備。その効果はフロントまわりのねじり剛性UP、ステアリングを切ったときのリニアな応答性&ボディ振動の減衰向上などが挙げられる。



また、サスペンションやステアリングにも改良が施され、乗り心地やパワステの操舵フィールまで改善。ちなみにV6モデルは消滅。2.4リッターガソリンとTHSIIのHVシステムを組みわせた2.4リッターHVの2種類の布陣となり、全車、ボディは人気のエアロ仕様(アエラス)に統一。



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自動ブレーキを含む先進安全装備「トヨタ・セーフティセンスC」もエスティマとして初装備しているのだ。もちろん、ハイブリッド、ガソリン車を問わず、エスティマ史上最上の走行性能を見せてくれた。



最後に、ドイツの、いや、世界の実用車のベンチマークとなっているVWゴルフについて。

筆者はゴルフ7のヴァリアント(ハイライン)をいまでも所有しているのだが、ゴルフは先代、7が完成形だと思っている。R-LINE、GTI、Rを除いた標準車では、とくに後期のマイスターグレードが最高だ。



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もちろん、ゴルフ8の各グレードを試乗しているのだが、GTIとクリーンデイーゼルモデルを除いたガソリンターボ(ゴルフ8はマイルドハイブリッド)モデルを走らせた結果、ゴルフ7で得られたドイツ車然とした走行性能やエンジンフィール、非ハイブリッド車としての燃費性能(1.4リッターガソリンターボ+DSGで最高20km/Lを記録)、シートの良さを含む感動(だから、即買いした)は得られていない。



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細かい話だが、インフォテイメントシステムと呼ばれるナビゲーションの使い勝手においても、ゴルフ8は後退しているのである。よって、試乗前には乗り換えようと思っていたゴルフ8は、現時点では、見送っている。



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