この記事をまとめると
■2022年にデビューした「ウルスS」を徹底紹介



■ランボルギーニ初となるクロスオーバーSUV「ウルス」の改良型



■メーカーの魅力についても解説



スーパーカーの息吹を体感できるランボルギーニが手がけたSUV

日本でもおなじみのランボルギーニ。カウンタックをはじめ、ディアブロ、アヴェンタドールなどなどハイパフォーマンスカーを生み出す自動車メーカーとして有名ですが、現在、同社を牽引しているのはSUVのウルスです。



今回は2022年にデビューしたウルスSについて紹介していきましょう。



まずはランボルギーニというメーカーについて

50代以降がイメージするならカウンタックやミウラ、近年ではムルシエラゴやウラカンなどのスポーツカーを世に送り出すことで認知度が高いランボルギーニ。正式名称は「ヌオヴァ・アウトモービリ・フェルッチオ・ランボルギーニ」で、そもそもはトラクターの製造会社でした。



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設立者のフェルッチオ・ランボルギーニ氏はトラクターやボイラーの製造で富を得ていた生粋のスポーツカーマニア。会社を立ち上げたきっかけはフェラーリが故障した際の対応に不満を抱き「フェラーリを超えるスポーツカーを作る」ことを決意したことにあります。



自らフェラーリに負けないスポーツカーを作るべく、同氏は1962年にランボルギーニを設立しました。



ランボルギーニ設立の翌年にはトリノショーで350GTVを発表。1964年から市販版となる350GTのデリバリーを開始しています。



ランボルギーニ・ウルスSを徹底解説! スーパーSUVの驚くべきスペックとは?



その後、1966年にミウラ、1970年にウラッコ、1974年にカウンタックと日本でも馴染みが深いスポーツカーを発表。しかし石油ショックの影響などから経営は悪化し、1987年にクライスラー傘下に。1999年にはアウディ傘下となり、現在もフォルクスワーゲングループの高級スポーツカーメーカーとしてさまざまなモデルを製造・販売しています。



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ランボルギーニが日本人に好かれる理由

ランボルギーニの2022年上半期世界新車販売台数は5090台。このうち、日本では286台が登録されており、販売台数の約18%を占めています。



このように世界的に見ても日本でランボルギーニの人気が高いのですが、ひとつは1970年代中盤から後半にかけて巻き起こったスーパーカーブームの影響が大きいのではないでしょうか。



池沢さとし氏の漫画『サーキットの狼』からはじまったこのブームでフェラーリ512BBやポルシェ911ターボなどとともにランボルギーニのカウンタックやミウラが大きな注目を集め、同社の名声が日本中に広まりました。



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またアウディ傘下となった後、発売されたムルシエラゴやガヤルド、アヴェンタドールのフォルムがガンダムチックであることも日本人をランボルギーニに引き寄せる要素なのではないか、との声も聞きます。



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フェラーリとは違うベクトルでぶっ飛んだスポーツカーを生み出してきたランボルギーニは、これからも日本人の心を鷲掴みにしていくことでしょう。



ウルスを進化させた超性能SUVのウルスS

3.5秒で時速100kmに達する加速力
ウルスSは2022年9月に発表されたランボルギーニの新たなSUVです。



2018年にランボルギーニ初となるクロスオーバーSUV「ウルス」の改良型となり、車名もウルスSへと変更されました。



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ウルスSが搭載するパワーユニットは4リッターV8ツインターボ。このユニットはウルスのハイパフォーマンスモデル「ウルス・ペルフォルマンテ」と同様で最高出力666馬力、最大トルク86.7kgmを発揮。このエンジンにより最高速度は305km/hを実現し、0~100km/hもウルスより0.1秒速い3.5秒とすさまじい加速力を発揮しています。



強烈なパワーとトルクを発揮するエンジンに組み合わされるのは8速AT。またアクティブ・リア・トルク・ベクタリング付きのフルタイム4WDもペルフォルマンテと同じセッティングを施しています。



この4WDシステムは通常はフロント40、リヤ60のトルク配分ですが、フロントへは最大70%、リヤへは最大87%のトルクを振り分けることが可能。ウルスに比べ素早い前後トルク配分の変更を可能としました。



また排気系をチューニングすることで、エンジン始動時の独特のサウンドとドライブ・モードによる排気音の違いを明確にしています。



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ドライブモード選択で理想の走りを実現する「ANIMAセレクター」
ウルスSに装備された4WDシステムやアダプティブエアサスペンション、ブレーキなどの装備を管理するのが「ANIMAセレクター」。



ドライバーが求めるドライブシーンに合わせドライビングセットアップを選択し、それぞれのモードにあったドライビングダイナミクスを実現する制御システムです。



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※写真はランボルギーニ・ウルス



ウルスSにはオンロード用に「STRADA」「SPORT」「CORSA」と3つのモードを用意。



「STRADA」は運転のしやすさを重視、「SPORT」はその名の通りレスポンスが良い走行や敏捷性を実現、「CORSA」は正確な運転とパフォーマンスを重視するセッティングとなっています。



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その他、滑りやすい路面を安定して走行できる「NEVE」、オフロード走行時に快適性と俊敏性を可能とする「TERRA」、砂漠などの砂地を走行することに適した「SABBIA」とオフロード向けの3つのモードを用意。さらにステアリングやサスペンションなどをドライバー好みに再設定できる「EGO」と計7つのモードを備えました。



余談となりますがペルフォルマンテには「TERRA」モードをよりアクティブに進化させオフロードを積極的に走行できる「RALLY」モードが備わっています。



優れた走行性能を誇るウルスSの燃費は?

ランボルギーニが発表しているウルスSの燃費はコンビネーション燃費量となり、その数値は14.1L/100km。



コンビネーション燃費量は欧州などで使用されている単位で、日本で使用されているkm/Lに変換すると約7km/L。ウルスSを購入する方にとって燃費は重視しないと思いますが、ガソリン高が続く現在において、同車の燃費は優れた数値ではないことは覚えておきましょう。



より洗練された外観と内装

ウルスと一線を画す外観デザイン

ウルスSはウルスの改良版となりますが、外観にはいくつかの変更点があります。



大きな変更点はフロントグリルとバンパー、そしてリヤバンパー。



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フロントグリルには水平方向のシンプルなフィンを装備。新デザインとなったフロントバンパー下部にはステンレスのスキッド・プレートが装着されました。またボンネットにエア・アウトレットも設置されています。



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その他、ルーフにはカーボンパネルを設定。リヤバンパーにはスリットの形状が変更されバンパー下部はマットブラックに仕立てられたほか、オプションでマットブラックのテールパイプを選択できるようになりました。



最新装備搭載の内装デザイン

エクステリア同様、インテリアデザインも変更されています。



ペルフォルマンテと同じ2トーントリムやコントラストカラーを新たに設定。高級SUVにふさわしいモダンラグジュアリーを表現しました。



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いまどきの高級車に備わっていてほしいコネクティビティも拡充。コネクテッド・ナビゲーションをはじめ、スマートフォンによるセキュリティ管理などにも対応しています。



気になるお値段は?

このテーマの執筆時の話となりますがウルスSの国内販売価格はまだ決まっていないようです。



ただEUでは19万5538ユーロ(約2820万円)から販売されていますので、国内仕様の価格は3000万円くらいにはなるでしょう。



ランボルギーニの初代SUV ウルスとは

2018年に登場したウルスは、ランボルギーニにとって初めてのクロスオーバーSUVとして開発されました。



ランボルギーニはウルスをスーパーSUVと名乗っています。



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プラットフォームはフォルクスワーゲングループに属するポルシェ・カイエンやアウディQ7などと同じPL73と呼ばれるシャシーを使用。ただし、それらのモデルとは異なり1638mmと際立って低い全高を備えているのが特徴です。



パワーユニットは4リッターV8ツインターボエンジンを搭載。リヤシートが2座独立式4人乗りと3人掛け5人乗りが選択できました。



ランボルギーニ・ウルスSを徹底解説! スーパーSUVの驚くべきスペックとは?



ウルスの登場によりランボルギーニの販売台数は飛躍。2020年には7430台と、ウルス登場前の3815台から大きく伸びていることがわかります。



ちなみにランボルギーニ初となるSUVは1981年にデビューしたLM。プロトタイプがチーターと名付けられていたLMは米陸軍向けの四輪駆動車として開発され、1992年まで生産されました。



ランボルギーニ・ウルスSを徹底解説! スーパーSUVの驚くべきスペックとは?



まとめ

世界的なSUVブームのなか、スーパーカーメーカーとして名高いランボルギーニが開発したのがウルス。ただ、やはりランボルギーニが手掛けたSUVはひと味違うことがわかります。



今後、ウルスがどのように進化していくか、また別のSUVモデルが登場していくかなど興味はつきません。

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