この記事をまとめると
■トヨタが展開するクルマのサブスクリプションサービスがKINTO■KINTOは新たにアンリミテッドと呼ばれるプランをスタート
■乗っている途中にクルマのハード自体がアップグレードされることもある
新たなサービスのキーワードはアップグレードとコネクテッド
東京オートサロンに足を運ぶようなクルマ好きこそ、愛車に関しては所有派で、トヨタの展開するサブスク「KINTO」のような月々払いのサービスを利用するイメージはないかもしれない。しかし半導体の不足問題が勃発して以来、サブスクのほうに欲しい最新モデルが優先的に供給されるという話もある。
実際、KINTOは進化している。2023年の今、「KINTOアンリミティッド」から提案される新たなサービスというかキーワードはふたつ。「アップグレード」と「コネクテッド」だ。
まず前者は、「トヨタ・セーフティ・センシング」に代表されるような予防安全パッケージ、たとえばBSM(バック・センサー・モニター)のようなハードウェア・オプションを、一度ディーラーから納車されてからでも、追加で後付け装着できるというものだ。これまでハードウェアはメーカーオプションとして、購入時に選んで工場で組み立て時デフォルトで付けることが必須だった。が、近頃はADAS関連の機能は充実化つまり複雑化しているため、むしろ初心者ほど「あれも付けておけばよかった」ということが起きやすいという。加えてこの手の機能は日進月歩で、「一台のクルマに長く乗りたい」ユーザーの希望とは相容れづらいところもあった。
そうした時に取り付け対応できるよう、たとえば新型プリウスは「アップグレードレディ設計」を採用。BSMのようなハードウェアでもバンパーを外してボルトオンと配線だけで機能追加が可能という。もちろんADAS関連の制御などを、OTA(オーバージエア)でスマホのようにアップデートして、最新状態に保つことも「アップグレード」には含まれる。追加した分のオプション料金は、一括で支払うことも、月々の支払い額に少し上のせするカタチも、どちらも選べる。
また「コネクティッド」のほうも、KINTOアンリミティッドから開始される安心パッケージだ。こちらはモータースポーツではおなじみ、データロガーによってアクセル踏み込み量やステアリング角度といった操作&車両データを元に、顧客の運転診断をする「コネクティッドドライブトレーナー」機能を備えている。しかも一般道が前提だけに、ウィンカー操作のタイミングや点灯時間が短過ぎないかなど、事故率の低減に繋がる要素まで診られるという。
加えてコネクティッドには、「コネクティッドカーケア」という機能がある。たとえば従来、オイル交換には、何km・何カ月といった走行距離や期間だけが目安だったが、燃料消費量や水温をモニターしていくことで、エンジンオイルの劣化を予測し車両ステータスを判断することができる。そのおかげでパーツやエンジン自体の性能低下を防ぎ、結果として愛車の状態を、下取り価値を含め、より良く保つことが可能になるのだ。クルマの状態を精緻にモニターするとはいえ、通信のやり取りは極力コンパクトに行われるし、また個人の位置情報は取得されないという。
一般のユーザーが、新車から乗って使って平均的に保有する期間は約8年。その間、最新の安全機能と最小限の減損で過ごすための気づかいあれこれが、進化するサブスク、KINTOには備わっているのだ。