この記事をまとめると
■タイとインドで人気の日本車について解説



■タイにおいて三菱は代表的な日本車メーカーとして定着している



■インドではマルチ・スズキが活躍



足グルマの定番はミラージュ!

東京から約4600km、タイのバンコクのスワンナプーム国際空港に降り立つ。



すると、バンコク市街周辺や市街中心部には、日本車の姿がとても目立つ。そんななか、なんだかとても気になるのは三菱自動車工業(三菱)のクルマが多いことだ。



日本で三菱といえば、最近では「アウトランダーPHEV」や「eKクロスEV」等の電動車が人気だ。EVの先駆者である「i-MiEV」から脈々とつづく電動車の研究開発に対してユーザーや販売店の信頼は厚い。



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一方で、タイの人々にとっての三菱は「手軽に買えるクルマ」であり、またモデルによっては「高級車」というイメージが強い。



タイ生産で日本にも輸出されていた「ミラージュ」は、東南アジア各地や経済新興国での庶民の足として根強い人気がある。



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三菱ミラージュのフロントスタイリング



また、SUVの「パジェロスポーツ」は、トヨタ「フォーチュナー」のライバル車として富裕層での人気が高い。また、「パジェロスポーツ」よりリーズナブルな価格設定で斬新なデザインも魅力的な「エクスパンダー」の販売も好調だ。



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三菱エクスパンダーのフロントスタイリング



三菱は70年代から東南アジア市場を重視してきており、タイを中心として日本を代表するブランドとして定着しているのだ。



インドではやっぱりマルチ・スズキが強い

次は、東京から約5800kmのインドはニューデリーに飛んでみる。



すると、そこには、言わずと知れた「マルチ・スズキ」ワールドが拡がっている。



マルチ・スズキは、インド政府が1980年代に始めた、いわゆる国民車構想に対してスズキが全面的に協力して設立された自動車メーカーだ。



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マルチ・スズキの外観



80年代から90年代は、日本で人気の軽自動車「アルト」をベースとして排気量を拡大したモデルなどが、まさに国民車としてインド全土に普及していった。



2000年代に入ると、経済新興国BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ等)と称されるようになるほど、インド経済の成長が著しくなる。



それに伴い、インドでの自動車購買力も上がり、マルチ・スズキのラインアップもインド市場に特化していた形から、インドから欧州向けの輸出を行うモデルとの共通性も高くなってきた。



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マルチ・スズキの工場



また、インドでも欧州、アメリカ、日本と同様にSUVシフトが進んでおり、小型SUVのラインアップを拡充している。また、南アジアや東南アジアで人気の高い小型3列ミニバン(MPV:マルチ・パーバス・ヴィークル)の人気も根強い。



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マルチ・スズキの小型SUV、ビターラ ブレッツァのフロントスタイリング



今後も、スズキはインドでの製造拠点を拡充し、そのなかではトヨタとの協業によるEVも含まれている。



このように、クルマという視点で世界を眺めると、日本とは違う風景が見えてくる。

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