この記事をまとめると
■登録車、軽自動車の2023年2月の販売ランキングが発表された



■登録車と軽自動車を合算した販売台数ランキングを作成



■結果とあわせて各メーカーの販売状況について解説する



トップは軽自動車のホンダN-BOX!

自販連(日本自動車販売協会連合会)から登録車、全軽自協(全国軽自動車協会連合会)から軽自動車の、2023年2月単月締めでの車名(通称名)別販売ランキングが発表されたので、さっそく登録車と軽自動車を合算した(含軽統計)販売台数ランキングを作成した。



販売トップとなったのはホンダN-BOXで2位のトヨタ・ヤリスに4000台弱差をつけている。軽自動車であるN-BOXに対してライバルが登録車であるトヨタ・ヤリス(ヤリスクロスも含まれるが)というのも意外であるが、2022事業年度(2022年4月から2023年3月)締めでの年間販売台数ベースでの販売トップ争いは、2023年3月単月を待たずにN-BOXトップがほぼ確実なように見えてきた。



2023年度の新車販売トップはN-BOXでほぼ決まり! ヤリ...の画像はこちら >>



ホンダの販売現場をまわると、2月下旬にヴェゼルの新規受注及び生産が停止したとのこと。ヴェゼルはデビュー直後からPlayグレードの生産が停止していたが、全シリーズが新規受注だけでなく生産自体も停止したとのこと。「バックオーダーの消化がなかなか進まないなか、生産も停まっていると聞いております」とはセールスマン。ただし、メーカーウエブサイトの出荷時期の目途一覧表には反映されていないので、情報が錯そうしているのかもしれない。



2023年度の新車販売トップはN-BOXでほぼ決まり! ヤリスとの差は「出荷能力」の違いにアリ
ホンダ・ヴェゼルのフロントスタイリング



またすでにタイプRの新規受注を停止しているシビックでは、標準タイプも新規受注停止となった。半導体供給不足を理由にしているようだが、事情通は「ZR-Vのデリバリーが始まりますので、生産資源をZR-Vの生産に集中させているのかもしれません」と語ってくれた。このようななかN-BOXも工場へのオーダー車となると工場からの出荷時期の目途は半年以上となるのだが、1~2カ月程度で納車できるケースがあるとし、さらに販売現場では限定的ながら即納可能な在庫車もあるとの説明を受けた。



2023年度の新車販売トップはN-BOXでほぼ決まり! ヤリスとの差は「出荷能力」の違いにアリ
ホンダ・シビックのフロントスタイリング



一方でヤリスは販売台数の上積みの要となるヤリスクロスが来年行われる改良実施モデルまで、ほぼ新規受注を停止している。話を聞いた時にはわずかにガソリン車に新規発注枠が残っていたようだが、現行型はすでに買えないと考えたほうがいいだろう。ハッチバックのヤリスについては、販売現場で聞くとHEV(ハイブリッド車)が2023年7月以降、ガソリン車が2023年8月以降となっていた。ガソリン車がHEVに比べて納期がかかることについては、3月末へ向けレンタカーやカーシェアリング業者からの発注分の生産を優先させているので、一般ユーザー向けに時間がかかっているのではないかとのことであった。



2023年度の新車販売トップはN-BOXでほぼ決まり! ヤリスとの差は「出荷能力」の違いにアリ
トヨタ・ヤリスクロスのフロントスタイリング



N-BOXもヤリスも需給状況は厳しいものとなっているが、N-BOXのほうが若干余裕はあるようにも見えるので、このまま逃げ切って2022事業年度締め年間販売台数トップとなりそうである。



新車の値上がりも予想される

登録車のみのランキングをみると、トップ10のなかにトヨタ車が9台も入っている。トヨタは昨年末ぐらいから工場稼働率をあげて納期が短縮するモデルが相次いでいる。ただしトヨタ以外でも今後の納期の見通しは不透明といわざるをえない。半導体だけでなく、小学校に置いてある二宮金次郎の銅像や、公園の蛇口までが盗まれるほどありとあらゆるものが不足し、取引価格も上昇しており、そのような状況を見ると短期間での収束はまず期待できない。



そのなかで新年度、つまり2023事業年度以降警戒したいのが、新車価格の値上げである。日産自動車は2月27日に2023年5月よりノートシリーズの価格改定、つまり値上げを行うとしている。オーラGで約4.5万円の値上げとなっている。また価格改定に合わせて一部メーカーオプションの構成の見直しも実施するとのこと。さらに三菱RVRも値上げを発表している。



2023年度の新車販売トップはN-BOXでほぼ決まり! ヤリスとの差は「出荷能力」の違いにアリ
日産ノートオーラのフロントスタイリング



食品ではすでに短期間で何回も値上げとなったものも多い。また輸入車でも数十万円レベルの値上げをすでに行っている。そのなか日本車はほぼ値上げという動きがなかった。

メーカーからディーラーへの出荷価格ベースではすでに値上げは行われてきているようだが、ディーラーは自社利益及び値引きの縮小という企業努力でしのいできたが、すでにそれも限界にきたとされている。事業年度の切り替えはまさに車両価格改定の好機到来。ただ、車両価格の値上げを行っても、納期の改善が進まないといった事態だけは是非避けてもらいたい。また販売現場では新年度に入るとローン金利の上昇も起こるのではと懸念している。すでに昨年秋辺りに比べて0.4%金利が上がったという話や、4月以降0.4%金利が上がるといった話も聞いている。



新型プリウスが登録車のみで10位に入っている。街なかでもポチポチと見かけるようになったのだが、その多くは“わナンバー”、つまりレンタカーとなっていた。2月の販売台数にはレンタカーが多数含まれているようである。



2023年度の新車販売トップはN-BOXでほぼ決まり! ヤリスとの差は「出荷能力」の違いにアリ
トヨタ・プリウスのフロントスタイリング

2023年2月単月新車販売ランキングベスト30(台数)
ホンダN-BOX(19652)



トヨタ・ヤリス(15760)



トヨタ・カローラ(14738)



ダイハツ・タント(12743)



トヨタ・シエンタ(11767)



日産ノート(10709)



ダイハツ・ムーヴ(10041)



スズキ・スペーシア(9790)



日産ルークス(9140)



トヨタ・ルーミー(8645)



トヨタ・ヴォクシー(8523)



トヨタ・ノア(8518)



トヨタ・アクア(8191)



トヨタ・ハリアー(7843)



トヨタ・プリウス(7681)



スズキ・ワゴンR(7299)



ホンダ・フリード(7071)



トヨタRAV4(6588)



スズキ・アルト(6475)



トヨタ・アルファード(6214)



ダイハツ・タフト(6065)



スズキ・ハスラー(5611)



トヨタ・ランドクルーザー(5534)



ホンダ・フィット(5531)



トヨタ・ライズ(5409)



ダイハツ・ミラ(5153)



スズキ・ソリオ(4931)



日産セレナ(4539)



ホンダ・ヴェゼル(4375)



マツダCX-60(4375)

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