この記事をまとめると
■マツダ・ロードスターがカーボンニュートラル燃料でスーパー耐久に参戦■「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept」と名付けられている
■ST-Qクラスに参戦しており、初戦は4位でフィニッシュした
ロードスターがカーボンニュートラル燃料で走った!
スーパー耐久シリーズ第4戦「スーパー耐久レースinオートポリス」が7月29~30日、大分県日田市のオートポリスで開催。各クラスで激しいバトルが展開されるなか、もっとも注目を集めていた1台が、MAZDA SPIRIT RACINGがST-Qクラスに投入した12号車「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept」かもしれない。
オートポリス大会でデビューした同モデルは、文字どおりロードスターにカーボンニュートラル燃料を使用した車両だが、1500ccモデルの車体に2000ccのエンジンを搭載。

パワートレイン開発本部で同マシンの開発を担ってきたマツダの佐々木健二氏によれば「カーボンニュートラルで多様性を持たせるために、ディーゼルエンジンを搭載したマツダ3でST-Qクラスに参戦してきましたが、このロードスターがガソリンエンジン側での第一歩になります」とのこと。

さらに、「軽さを残すために1500ccのボディを使用していますが、2000ccのエンジンを搭載するほか、パワーアップも実施しました。サスペンションやブレーキパッドなどはレース用に変更していますが、ギヤボックスやクラッチ、ブレーキシステムはノーマルになっています」と佐々木氏は付け加える。
ドライバーからの評価も上々!
気になる同モデルのフィーリングについて、Bドライバーとしてステアリングを握った阪口良平選手は、「レースウィークの木曜日に初めてドライビングしたんですけど、セットアップを変更したいと思わないぐらい走りやすい状態でした。乗っていて楽しいクルマで、不安感はまったくありません。ノーマルの部分が多いので、細かいことを言えば、エンジンの回転数とか軽量化の部分を煮詰めていきたいところではあるんですけど、乗り始めとしてはすごく良かった」とファーストインプレッション。

さらに阪口選手は、「2000ccエンジンを搭載しただけで予想以上にタイムアップしています。1500ccはミニサーキットでは楽しいんですけど、上り坂や4速、5速の伸びが足りない傾向にありました。でも、2000ccはそういったストレスがない。2400ccのGR86には置いていかれますが、2000ccの86が相手なら、ロードスターは小さくて空力がいいのでストレートでもついていくことができる。キビキビ感がありながら、2000ccエンジンの搭載でストレスもないので本当に楽しい。

ちなみに阪口選手は初めて購入した愛車がロードスターで、「楽しかったし、ドライビングの勉強になりました」とのことだ。
このように、「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept」は、プロドライバーを魅了するほどのマシンに仕上がっているのだが、残念ながら木曜日の練習走行の際にクラッシュ。フロントセクションを大破したことから、金曜日の練習走行および土曜日の予選をキャンセルして修復を行っていた。その甲斐あってか、日曜日の決勝日に「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept」は復活した。

まさに、同モデルにとって決勝がぶっつけ本番の状態となったが、それでも「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept」は安定した走りを披露。最終的には130周で5時間レースを走り切り、ST-Qクラスの4位でフィニッシュした。
「まだ始まったばかりなので、これから細かい部分を煮詰めていくことになりますが、富士24時間レースではさすがにノーマルでは不安が残るので、ギヤボックスやブレーキシステムなどは強化が必要になってくるでしょう。タイミングをみながらアップデートしていきたいと思います」と前出の佐々木氏が語っているだけに、今後も進化を重ねる「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept」の動向に注目したい。
