この記事をまとめると
■三菱がインドネシアで発表したエクスフォースのライバル車を研究



■最大のライバルはクロスオーバーSUVのヒョンデ・クレタだ



■インドネシアでもよく見かけるホンダHR-Vもライバルとなっている



ヒョンデ・クレタの独走に三菱が待ったをかける

今回のGIIAS2023(ガイキンド・インドネシア国際オートショー2023)会場において、三菱自動車はコンパクトクロスオーバーSUVとなるエクスフォースを世界初公開した。そこで日本風に、エクスフォースのライバル車研究をしてみたい。



インドネシアで日韓戦勃発! 三菱vsホンダvsヒョンデのクロ...の画像はこちら >>



エクスフォースがとくに意識しているのは、韓国ヒョンデ自動車の新興国向けクロスオーバーSUVとなるクレタとされている。



初代クレタは2014年にデビューしており、ASEAN(東南アジア諸国連合)以外でも広く世界の新興国市場でラインアップされている。現行2代目は2019年にデビュー。インドネシアでは現地工場で生産され、2023年2月に発売されると、ジャカルタ首都圏中心とされるようだが、ヒットモデルと呼ぶに十分な売れ行きになっているとのことである。



インドネシアで日韓戦勃発! 三菱vsホンダvsヒョンデのクロスオーバーSUV対決が繰り広げられる
ヒョンデ・クレタのフロントスタイリング



全長4315(-75)×全幅1790(-20)×全高1630(-30)mm[()内はエクスフォース比]となり、1.5リッターエンジン搭載で2WDのみはエクスフォースと変わらない。三菱とヒョンデはスターゲイザーとエクスパンダー、スターゲイザーXとエクスパンダークロス、パリセードとパジェロスポーツなど、ガチンコもしくはそれに近いモデルをお互いラインアップしている。



クレタはインドネシアでは2021年に初披露されているが、ほかの新興国ではすでに当時は手広く販売されていたので、三菱自動車がエクスフォースの開発にあたり、ガチンコ勝負を挑んだかどうかは別として、クレタの存在を意識していたのは間違いないだろう。



ホンダHR-Vの存在も見過ごせない

日本勢でこのカテゴリーでよく売れているのはホンダHR-V(日本でのヴェゼル相当)となる。RS以外の標準モデルでは全長4330(-90)×全幅1790(-20)×全高1590(-70)mm[()内はエクスフォース比]。エクスフォース、クレタ同様に1.5リッターエンジンを搭載し、2WDのみとなっている。



インドネシアで日韓戦勃発! 三菱vsホンダvsヒョンデのクロスオーバーSUV対決が繰り広げられる
ホンダHR-Vの走行シーン



インドネシアでは駆動数で奢侈税の税率が変わるので、クロスオーバーSUVであっても2WDのみの設定が多いのである。トヨタでもカローラクロスをラインアップしているが、搭載エンジンが1.8リッターとなっている。サイズとしては、日本仕様よりボディサイズの大きいヤリスクロスが1.5リッターエンジンも搭載しライバルに近いといえる。



短期間の滞在でもクレタとHR-Vはかなりの頻度で街なかで見かけたので、エクスフォースのライバルとしてはこの2車となると考えていいだろう。



インドネシアで日韓戦勃発! 三菱vsホンダvsヒョンデのクロスオーバーSUV対決が繰り広げられる
ヒョンデ・クレタの走行シーン



進化したダイナミックシールドフェイスの採用は三菱車ならではだが、その進化度合いにより、かなりエッジの利いた顔つきとなっている。これはクレタの対抗モデルとしてマストだろう。ヒョンデもモデル全体でエッジの利いたデザインテイストを採用しているが、クレタは昼間以上に夜間でヘッドライトを点灯している姿は、そのLEDヘッドライトの点灯具合も含めてとにかくインパクトが大きいのである。



一方で、HR-Vは日本のヴェゼルほぼそのままのエクステリアとなっており、クレタやエクスフォースとは一線を画している。この辺りは今回ジャカルタ首都圏でしかウォッチしていないので、ジャカルタ首都圏でとくに多様性が目立ってきて、「クレタではどうも……」という選択肢でHR-Vが選ばれているのかもしれない。



もちろん、エクスフォースは、インドネシア以外の新興国でも今後発売していく予定となっている。新興国全体をフォローしようとすると、クレタ的キャラクターを選ぶのは王道といえるだろう。



インドネシアで日韓戦勃発! 三菱vsホンダvsヒョンデのクロスオーバーSUV対決が繰り広げられる
三菱エクスフォースのフロントスタイリング



東南アジアでは日本車はまだまだ強みを見せている。三菱がどこまでライバルメーカーを意識して開発したかは定かではないが、実車を見て伝わってくる熱意のようなものを感じると、最近の日本車のなかでは意欲作の1台と呼べるかもしれない。ただし、日本国内への導入予定はないようだ。

編集部おすすめ