この記事をまとめると
■インドネシアのタクシーは日本と同じような環境で安心して利用できる



■現地のタクシー車両はトヨタのMPVモデル「トランスムーバー」が急速に広まっている



■ベースのアヴァンザはすでに新型になっているがまだ「トランスムーバー」は旧型ベース



インドネシアのタクシー環境は日本並みに整備されている

インドネシアでの移動の足はタクシーとなる。日本と比べれば割安感のある料金に加え、日本のようにアプリを使っての配車要請(日本のよりはるかに便利)ができるので、言葉の問題もさほどなく使えるからである。



タクシー会社はいくつかあるようだが、街なかを走るタクシーは圧倒的に最大手のものとなっている。

ドライバーは制服を着用し、車内は海外のタクシーにしてはかなり綺麗。さらに料金メーターを確実に入れてくれるなど、ほぼ日本並みに利用することができるのもうれしいポイント。



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2022年、新型コロナウイルスの爆発的な感染を経て、久しぶりにインドネシアの首都ジャカルタを訪れた。その当時の最大手のタクシー会社の車両のなかにはまだセダンタイプで、トヨタ・ヴィオスをベースにした専用車「リモ」もいたのだが、2023年、つまり今年再び訪れると筆者が見た限りでは100%がコンパクトMPV(多目的車)となるアヴァンザ(トヨタとダイハツの共同開発車)をベースにした「トランスムーバー」となっていた。全長4190×全幅1660×全高1695mm。1.3リッター直4エンジンには5速MTのみが組み合わされている。このモデルの注目すべきはコンパクトMPVでありながらFRを採用している点である。



見た限り100%がMPV! セダンタイプのタクシーがたった1年ですっかり姿を消したインドネシア
トヨタ・アヴァンザのタクシー



筆者としては、日本のJPNタクシーより使い勝手の良い、室内天井の真ん中に設置されているサーキュレーターが嬉しい装備。暑がりとなる筆者はこのサーキュレーターの風量を最大にして、エアコンの冷風を浴びるのが至福の時間なのである。



タクシー市場はどんどんトランスムーバーになるだろう

なお、現行トランスムーバーは2代目アヴァンザがベースとなっているのだが、そのアヴァンザはすでに3代目となっている。2021年に登場した3代目はダイハツのDNGAプラットフォームを採用し、駆動方式はFRからFFとなっている。全長4395×全幅1730×全高1665または1700mmとなっている。

1.3リッターと1.5リッターエンジンが用意されている。



ボディサイズが大きくなったこともあり、さらに最近の新興国向けトヨタ車全体にいえるのだが、筆者個人としてはかなりイケてるデザインとなっており、この3代目ベースのトランスムーバーの登場を筆者は待ち焦がれているのである。



見た限り100%がMPV! セダンタイプのタクシーがたった1年ですっかり姿を消したインドネシア
トヨタ・アヴァンザ



いまは地方部でまだ走っているとされるリモタクシーのベースとなるヴィオスは2022年に4代目がデビューしており、こちらも個人的には格好良くてしかたない。ただ、すでにトランスムーバーが主流になっているなかでは、「現行ヴィオスをベースとしたリモは登場しないのでは」と事情通は語ってくれた。



インドネシアではタクシーのほか、ライドシェアサービスも盛んとなっている。ライドシェア車両はリモが全盛のころからMPVスタイルの車両がほとんどとなっており、荷物の積載性能の高さも手伝って、タクシーからライドシェアへ流れる動きもあり、トランスムーバーが登場した理由のひとつともいわれているので、セダン型タクシーはもう登場しないだろうとのことであった。



見た限り100%がMPV! セダンタイプのタクシーがたった1年ですっかり姿を消したインドネシア
トヨタ・リモ



それでは3代目アヴァンザベースのトランスムーバーは登場するのだろうか。前出の事情通は「登場するにしてもまだまだ後の話になるでしょう。そもそもいまのトランスムーバーも、先代アヴァンザの在庫調整のためもあって登場したと言われています。4代目はまだまだ登場して新しいので、現行アヴァンザの販売が落ち着いたころに登場するのではないでしょうか」と分析してくくれた。



このタクシー会社では、BYDのBEV(バッテリー電気自動車)タクシーも走らせているのだが、充電インフラを考えると、まだまだどこでも行きますよという状況にあるわけではないようなので、次期トランスムーバーにぜひ登場して欲しいし、そのときを心待ちにしている。

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