この記事をまとめると
■リセールバリューが高い新車はどんなクルマなのかを紹介



■需要の多い売れ筋車種のリセールが高いとは限らない



■リセールと「残価率」にも相関関係があるわけではない



リセールバリューはクルマの人気で決まるわけではない

クルマのリセールバリュー、つまり売却する時の価値は、中古車市場の人気度で決まる。海外への輸出も含めて、中古車市場で人気が高ければ、高値で売ることが可能だ。逆に中古車市場で人気が低いと、高値の売却もできない。



ここで述べている中古車市場の「人気」とは、中古車の供給台数に対して、中古車需要が多いことだ。仮に中古車を求めるユーザーがたくさんいても、その車種が豊富に供給されていると、中古車価格は吊り上がらない。従って高値で売却することもできない。このパターンはコンパクトカーに多い。新車も大量に売られているから、希少性が生じることはなく、中古車価格や売却額も高まらない。



超売れ筋車種でもリセールが高いとは限らない! 下取りで高値が...の画像はこちら >>



一方、新車販売台数の少ないスポーツカーや一部のSUVは、中古車になっても多くのユーザーが欲しがるわけではない。

しかしそれ以上に、新車販売台数が限られて、中古車市場における流通台数が少ないから高値で取り引きされる。



トヨタではランドクルーザー(300系)が注目される。V型6気筒3.5リッターターボを搭載するZXの新車価格は730万円だが、中古車価格は1200~1400万円に達する。残価設定ローンも、3年後の残価率(新車価格に占める残価の割合)が70%だから、平均値の43~48%を大幅に上まわる。



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トヨタ・ランドクルーザー(300系)の走行写真



ランドクルーザー(300系)とプラットフォームなどを共通化したレクサスLXは、標準グレードの新車価格が1250万円で、内装が豪華なエグゼクティブは1800万円だ。標準グレードの中古車価格は1600~1900万円、エグゼクティブは2000~2300万円になる。

高いことは確かだが、ランドクルーザー(300系)と違って、中古車価格が新車時の2倍近くまで跳ね上がることはない。とくにLXエグゼクティブは、新車価格の1.1~1.3倍だ。



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レクサスLX(4代目)のフロントスタイリング



アルファードは現状新車価格の2倍以上の中古価格!

新車価格と中古車価格のバランスでは、新型アルファードが凄い。エグゼクティブラウンジの新車価格は850万円だが、中古車価格は2.4倍の2000万円に達する。ノーマルエンジンのアルファードZは、新車価格が540万円で、中古車は1000~1200万円だから、やはり2倍かそれ以上だ。



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トヨタ・アルファード(4代目)のフロントスタイリング



今のアルファードとヴェルファイアでは、新車の受注を停止させている販売会社が多く、手に入れる方法は定額制カーリースのKINTOしかない。

そこで中古車価格が高騰した。アルファードの3年後の残価率は67%だ。



スポーツカーではGT-Rが挙げられる。GT-R NISMOは、新車価格が2865万600円で、中古車価格は3000~4000万円以上になる。それなのに残価設定ローンの3年後の残価率は54%だから、とくに注目される値ではない。つまりGT-Rを買うなら、残価設定ローンは使わずに購入して、短期間で売却するのがいいだろう。



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日産GT-R ニスモ(MY2024)のフロントスタイリング



残価設定ローンを使う時の目安もこの点にある。中古車価格が比較的安いのに、残価率が50%に達するような車種は、残価設定ローンを使うのがトクだ。資産価値を保全する効果が大きい。逆にGT-Rのように、中古車が高値なのに残価率があまり高くない車種は、残価設定ローンを使わずに購入する。そして自分で売り時を見つけて高値で売却するのがトクだ。