この記事をまとめると
■自己を未然に防いでくれる先進運転支援機能だが急な作動によりびっくりすることがある■過敏すぎるセンサーや想定外の急減速にはびっくりさせられうことが多い
■先進運転支援機能は事故を防ぐための配慮であり、作動時には「おかげで助かった」となるはずだ
いまどきの安全装備が過敏すぎ?
最近のクルマは先進運転支援機能が充実し、なかには標準装備となった機能もある。とくに衝突軽減ブレーキはいまや新車に必須の装備、機能となっている。「ぶつからないクルマ!?」のスバルのアイサイトがそうであるように、追突事故は劇的に減っているというデータもある。
が、逆に、そうした先進運転支援が運転者、乗員をびっくりさせてしまうこともあったりする。
その一例を挙げよう。まずはつい最近に乗ったドイツ車だ。一軒家の自宅の駐車場に慣れた手さばきで、バックで入れようとしたら、突然、凄まじい警告音とガッ!! という急ブレーキが作動。こちらはもうぶつかったかも? と思えるほどびっくり。毎日のように出し入れしている、比較的幅もある駐車スペースだから、これまでぶつけたことなどなく、そのときも絶対にぶつからない進入路でバックしていたのに、である。
これはセンサーの誤作動というより、センサーが過敏で起こった事象だろう。ぶつからないための配慮とはいえ、強烈な音と急ブレーキのショックで心臓バクバク必至。寿命が縮む。もう少し、穏やかに警告してもらえないだろうか……。

同じようなびっくりパターンが、衝突軽減ブレーキだ。

同一車線上で先行車との距離がうっかり縮まりすぎて、衝突軽減ブレーキが作動する場合は、前を向いている限り、「助かった」という安堵が先に立つものの、レーンチェンジでの衝突軽減ブレーキ作動は突然すぎて、かなりびっくりするのではないだろうか。もっとも、そのおかげで衝突を回避できるのだが……。
急停止も急減速も事故を未然に防ぐためと割り切りたい
同一車線でのハンズオフドライブを制限速度内(実際には+10km/h)で実現したプロパイロット2.0という最先端の先進運転支援機能がある。日産スカイラインから始まり、いまでは日産アリア、日産セレナ・ルキシオンに搭載されている。高速道路の本線走行で、ナビゲーションで目的地設定をすると、ナビ連動ルート走行を開始。ハンズオフ状態で前車追従走行はもちろん、車線変更、追い越しに始まり、分岐、カーブ手前制御などを実現。値段はまだ張るものの、自動運転にもっとも近い先進運転支援技術と言える。
が、そんなプロパイロット2.0も登場したばかりのころ、スカイラインを高速道路で試乗した際、思いがけないびっくりに遭遇したことがある。

高速道路を80km/hでプロパイロット2.0によるハンズオフ、自動レーンチェンジを含む走行を行い、高速出口のスロープに侵入したときのこと。前車などいないのに、いきなり強烈な急減速に見舞われ、なにが起こったんだ!! と驚きを隠せなかった。それはトラブルでも何でもない。

現在のプロパイロット2.0はそのあたり、改善されているのだが、プロパイロット2.0の初試乗のときは感動しつつ、びっくりも経験したのであった。
最後に紹介するのは、かなりありがたい先進運転支援機能であり、その機能を知っていればどうということはないのだが、知らずに経験するとびっくり!! という先進運転支援機能だ。具体的にはちょっと前のボルボで経験したのだが、車両が車線をはみ出そうとすると、安全のために車線内にグイッと引き戻してくれる機能だ。

車線をはみ出そうとするとステアリング振動などで警告してくれる機能は以前からあったのだが、ボルボにはLKA(レーンキープエイド)とランオフロードミティゲ―ション(道路逸脱回避支援機能)のふたつがあり、いずれも車両を元の車線、道路に戻すべく、ステアリングが自動で作動。ランオフロードミティゲ―ションの道路逸脱の場合は道路に戻るようにステアリング、必要に応じてブレーキもかけてくれるため、うっかりそうした機能が付いていることを知らないと、クルマが勝手に動く……という感じで、びっくり、驚くはずだ。
びっくりすることもあるいまどきの先進運転支援機能は、衝突、事故を起こさないための配慮ある機能であり、ときにはびっくりするかも知れないが、バック時のセンサー過敏反応を除いて、スバルアイサイトの母親と子どもが出てくるTVCMのように「おかげで助かった!!」となるに違いない。